新型コロナ感染者の葬儀で新指針 最後の別れができるように

新型コロナウイルスに感染して亡くなった人の葬儀などに関する国のガイドラインについて、厚生労働省と経済産業省はこれまでの制限を緩和する見直しを行い、6日に公表しました。この見直しで、感染対策をとったうえで、亡くなった家族の体に触れるなど最後の別れができるようになります。

新型コロナに感染して亡くなった人の遺体の搬送や葬儀などについて、厚生労働省と経済産業省は3年前の7月にガイドラインをまとめ、
▽遺体は「納体袋」で包み
▽遺体に触れることは控えるとしていました。

しかし、遺族から最後の別れができるようにしてほしいとの声が上がっていたことを受けて、厚生労働省は専門家や業界団体と見直しを進めてきました。

厚生労働省が6日に公表した新たなガイドラインでは、遺体に適切な対策をとれば
▽「納体袋」は必要ないとしているほか、
▽触れたあとに適切に手洗いをすれば遺体に触れることができるとしています。

一方、濃厚接触者については今回のガイドラインでは「葬儀や火葬に参列する場合、基本的な感染対策を徹底してください」とされていますが、業界団体からは職員や参列者の感染を防ぎ、安全を確保してほしいとの要望があったということです。

これを受けて、濃厚接触者となった遺族などは引き続き
▽症状がある場合はオンラインを活用した参加を求められ、
▽症状がない場合もオンラインでの参加が推奨されるとしています。

厚生労働省は新たなガイドラインをホームページに掲載することにしています。

加藤厚労相「遺族の意思を尊重」

加藤厚生労働大臣は、閣議のあとの記者会見で「遺族から最後のお別れができなかったなど、さまざまな指摘をいただき、衛生面の観点から検討したところ、遺体からの感染リスクは極めて低いことが確認され、ガイドラインを改正した。基本的には、コロナ以外で亡くなられた方と同様の対応ということで、遺族の意思をできるかぎり尊重して執り行われるよう、丁寧に周知したい」と述べました。