長期金利の指標 10年もの国債利回り0.5%に 約7年半ぶり

6日の債券市場では、日本国債が売られ、長期金利は、およそ7年半ぶりに0.5%まで上昇しました。
日銀が先月、長期金利の変動幅の上限を0.5%程度に引き上げてから上限に達するのは初めてです。

国債は、売られると金利が上がるという関係にありますが、6日の債券市場では日本国債が売られ、長期金利の代表的な指標となっている10年ものの国債の利回りは0.5%まで上昇しました。

長期金利が0.5%をつけるのは2015年7月以来、およそ7年半ぶりです。

日銀は先月20日、今の大規模な金融緩和策を修正して長期金利の変動幅の上限を、これまでの0.25%程度から0.5%程度に引き上げることを決めました。

長期金利が新たな変動幅の上限に達したのは、日銀が政策を修正してから初めてです。

市場関係者は「日銀の黒田総裁は、先月の政策修正は利上げや金融の引き締めではないと強調しているが、市場では事実上の金融引き締めだと受け止められている。再び金融緩和策の修正に動くのではないかという見方も出ていて、日本国債を売る動きが強まっている」と話しています。

専門家の見方は?

6日の債券市場で長期金利がおよそ7年半ぶりに0.5%をつけたことについて、東海東京証券の佐野一彦チーフ債券ストラテジストに聞きました。

Q.長期金利が6日に0.5%に達したことをどう見るか。
A.日銀が12月20日に長期金利の変動幅の上限を0.5%程度に引き上げるという政策修正を行ったので水準の調整が起きたということだと思う。
今後はよほどのことがないかぎり、長期金利は0.5%で張り付く。
それよりも少し低い利回りで推移する可能性が高い。
欧米の景気が後退するという観測が広がったりして海外の金利が大きく下がるということでもなければ長期金利が0.5%を大きく下回るということは考えにくい。

Q.海外勢などが日本国債の売り圧力を強める可能性は?
A.十分に考えられる。日銀は、変動幅の上限を0.25%程度で抑えていたのを12月20日に市場が全く予想しない中で、上限を0.5%程度に引き上げるという政策修正を行った。
市場参加者としては次もあるのではないか、次は0.75%まで変動幅を拡大するのではないか、今の金融政策の枠組みを変更するのではないか、マイナス金利政策をやめるのではないかそういった思惑が今回広がってしまったことは確かだ。
ということは、0.25%での攻防が今度は0.5%での攻防になるだけなので海外勢が売り圧力を強めるような状況は今後もありえるだろう。