去年11月の実質賃金 前年同月比3.8%減 2014年以来の下げ幅

物価の上昇が続く中、去年11月の働く人1人当たりの実質賃金は前の年の同じ月に比べて3.8%減少し、消費税率が引き上げられ実質賃金が大きく落ち込んだ2014年以来の下げ幅となりました。

厚生労働省が従業員5人以上の事業所3万余りを対象に行っている「毎月勤労統計調査」によりますと、物価の変動分を反映した去年11月の実質賃金は、おととし11月に比べて3.8%減少しました。

物価の上昇を背景に8か月連続でマイナスとなっています。

今回の減少幅は、2014年5月以来、8年6か月ぶりで、当時は消費税率が5%から8%に引き上げられた影響で実質賃金が大きく落ち込み4.1%のマイナスでした。

また、消費増税の年を除くとリーマンショックの影響が残り4.2%のマイナスだった2009年12月以来となります。

一方、実質賃金を計算する前提となる去年11月の働く人1人当たりの現金給与総額は平均で28万3895円で、おととし11月に比べて0.5%増えました。

11か月連続で前の年の同じ月を上回りましたが、プラス幅は縮小しました。

厚生労働省は「給与総額のプラス幅が小さくなったことや、物価の上昇が続いていることが実質賃金に影響している。去年の冬のボーナスの支払い状況やことしの春闘での賃上げの動向を注視したい」としています。