中国海警局の船 領海侵入過去最長に 海保 警備体制強化へ
沖縄県の尖閣諸島の沖合では去年、中国海警局の船が日本の領海に過去最長となる72時間余りにわたって侵入するなど緊迫した状態が続いていて、海上保安庁は巡視船の増強や国際連携などを通じて警備体制の強化を図ることにしています。
尖閣諸島の周辺海域では、中国海警局の船が先月、72時間45分にわたって領海侵入し、11年前の尖閣諸島の国有化以降で最も長くなったほか、領海のすぐ外側にある「接続水域」を航行した日数も、1年のうち336日と過去最多になりました。
また去年11月には、従来より大型の76ミリ砲を搭載したとみられる中国海警局の船が領海に侵入したのも初めて確認されました。
政府はこうした事態に対応するため、巡視船や航空機による領海警備など、海上保安能力を強化する方針をとりまとめ、海上保安庁は予算案に過去最大となる2431億円を計上しました。
今後、新たに大型巡視船4隻を整備し、そのうちの1隻は「国際業務対応船」として就役する予定です。
海上保安庁関係者によりますと、この船を活用して東南アジア諸国の海上保安機関を支援し、警察機関どうしで連携することで海洋進出の動きを強める中国に対抗するねらいがあるということです。

先月の会見で海上保安庁の石井昌平長官は、尖閣諸島周辺の緊迫化を踏まえ、「海上保安能力を一層強化することにより、警察機関として、法とルールの支配に基づく平和で豊かな海を守り抜いていく」と述べています。