
障害のある人の投票 パンフレットや送迎で支援 地域差も課題に
ことしは4月に統一地方選挙が行われます。
障害のある人がもっと投票しやすくなるよう、各地の選挙管理委員会や福祉事業所で取り組みが進められています。

埼玉県新座市の選挙管理委員会では、障害のある人たちに向けて作成したパンフレットをホームページで公開していて、投票用紙の記入の際に椅子を借りることができたり、筆談でやりとりができたりするなど、投票所で受けられる支援などについて分かりやすい言葉でまとめています。

また、投票にあたって手伝いが必要かどうかなどを指で指して示すことができる「支援シート」を投票所ごとに準備しています。
投票所への移動をサポートしている自治体もあります。
和歌山県北山村では、出歩くことが難しい人が投票できるようにと、期日前投票の期間中に希望をした人には、社会福祉協議会の職員が車で自宅を訪れて、投票所まで送迎を行っています。
和歌山県北山村では、出歩くことが難しい人が投票できるようにと、期日前投票の期間中に希望をした人には、社会福祉協議会の職員が車で自宅を訪れて、投票所まで送迎を行っています。

事業所も後押し
自治体だけではなく、障害のある人たちが利用する福祉事業所でも投票を後押しする動きが広がっています。

知的障害のある人たちが通う沖縄市の生活介護事業所では、去年9月の県知事選挙を前に、職員が候補者全員のポスターを見せながら紹介したり、それぞれの公約を分かりやすい表現にして伝える取り組みをしました。

さらに、ふだん馴染みのない投票所で戸惑うことがないように、投票を練習する「模擬投票」も行い、大切な1票を自分の力で投じられるようサポートしていました。
地域ごとに格差も
障害のある人たちの投票をめぐり、支援する団体からは、地域によって支援の有無や内容が異なるなど格差を指摘する声もあり、総務省も全国各地の選挙管理委員会を対象に投票しやすい環境をどう整えているかなどを尋ねる初めての大規模調査を進めています。

投票環境の改善を求める要請を続けてきた日本障害者協議会の藤井克徳代表は「投票までには多くのハードルがあります。投票しやすい取り組みを進めている自治体もありますが、どの地域に住んでいても誰もが投票しやすいよう国をあげて取り組んでもらいたい」と話しています。
またNHKでは、去年夏の参議院選挙に先だって、特設サイト「みんなの選挙」を立ち上げ、選挙で障害のある人が受けられる具体的な支援策や各地の取り組みなどを発信しているほか、当事者などからの意見を募集しています。
NHK みんなの選挙
障害のある人の選挙に役立つ情報をまとめました。投票で困ったことや改善してほしいことなど、こちらのサイトからご意見をお寄せください。
