新型コロナ 感染により抗体持つ人は3割弱 高齢者ほど低い結果

新型コロナウイルスの感染によってできる抗体を持つ人は、ことし11月時点で全国で28.6%だったことが、国立感染症研究所などが献血の血液を分析した結果、分かりました。抗体の保有率は高齢になるほど低く、定期的なワクチン接種が必要と思われるとしています。

国立感染症研究所などは、ことし11月上旬に献血に訪れた16歳から69歳の8260人の血液を調べ、新型コロナに感染した場合にだけできる抗体を持つ人の割合を分析しました。

それによりますと、抗体の保有率は全国で28.6%で、ことし3月時点で東京都や大阪府など5都府県の住民で感染した人の割合は4.3%と推定されたのに比べて高く、第7波以降、感染した人が大きく増えた可能性を示すとしています。

年代別では
▽16歳から19歳が38.9%
▽20代が40.4%
▽30代が34.9%
▽40代が29.1%
▽50代が21.8%
▽60代が17.0%と
年代が上がるほど低い傾向がみられました。

また、沖縄県が45.1%、大阪府が43.0%、東京都が34.5%などと高かった一方、長野県は9.2%、徳島県は13.2%、新潟県は14.2%などと差が見られました。

国立感染症研究所の鈴木基感染症疫学センター長は「免疫は時間とともに弱まり、感染で得られる免疫に期待することはリスクが高い。高齢者など重症化リスクの高い人たちはワクチン接種を続けていくことが必要と思われる」としています。