ウクライナ大統領が演説“領土奪還進め避難民帰国の道筋示す”

ウクライナのゼレンスキー大統領は、新年を前にした演説で、領土の奪還を進めるとともに、国外に避難した人の帰国に向け道筋を示していく考えを強調しました。これに対してロシアのプーチン政権は、一方的に併合したとするウクライナの4つの州はロシアの領土だとする主張を改めて示し、強硬な姿勢を崩していません。

ウクライナ軍は、ロシアに支配された領土の奪還を目指して反転攻勢を続けていて、このうち東部ルハンシク州では、要衝の奪還に向けて攻勢を強めているとみられています。

ゼレンスキー大統領は28日、新年を前にウクライナの議会にあたる最高会議で演説し、ロシア軍が侵攻した地域で、これまでに1800の町や村を解放したと述べ、引き続き、領土の奪還を進めていく決意を示しました。

さらに、何百万もの人が国を離れて避難を余儀なくされているとして、こうした人たちを受け入れている国々に謝意を示したうえで、「避難している国民がウクライナ社会から切り離されないよう、帰国を保証しなければならない」と述べ、安全の確保や経済の立て直しを進めることで、帰国への道筋を示す考えを強調しました。

また、ゼレンスキー大統領は、和平に向けて、ロシア軍のウクライナからの撤退やウクライナの領土保全の回復など、10の項目を掲げています。

しかし、ロシアのプーチン政権は、一方的な併合に踏み切ったウクライナの4つの州をウクライナがロシアの領土だと認める必要があるとの強硬姿勢を崩しておらず、和平に向けた道筋はみえていません。