今シーズンの鳥インフルエンザの発生は、これまでで最も早く、10月28日に最初の感染が岡山県倉敷市と北海道厚真町の養鶏場で確認されました。
農林水産省によりますと、28日までに養鶏場などで発生が確認されたのは、鹿児島県が最も多く12か所、続いて香川県と岡山県がそれぞれ4か所、それに北海道や沖縄県などあわせて22の道と県の49か所となっています。
また、今月15日に発生が確認された青森県三沢市の養鶏場では、ニワトリおよそ137万羽の処分が続けられていて、おととし12月に発生が確認された千葉県いすみ市の養鶏場のおよそ116万羽を上回り、1か所としては過去最多の処分数となる見通しです。
さらに、今シーズンに処分されるニワトリなどの数は、28日までにおよそ730万羽に及んでいて、低病原性の鳥インフルエンザが広がった2005年から2006年のおよそ578万羽を超え、1シーズンとしては過去2番目の規模となっています。
今後もこのペースで発生が続いた場合、今シーズンの処分数はこれまでで最も多かったおととしから去年にかけてのおよそ987万羽を上回る可能性があります。
北海道大学の迫田教授は「10年前と比べて、ここ数年の流行では、かなりの割合の鳥が感染しても死なずに大陸と日本を行き来して、ウイルスが受け渡されながら、再び戻ってくるサイクルがみえてきた。ウイルスの病原性が下がったことで、ウイルスが長い距離運ばれるようになり、さまざまな種類の鳥への感染を引き起こしている可能性がある」と述べ、今後も毎年のように流行が続くリスクが高まっていると指摘しています。
鳥インフル 発生相次ぎ過去最多のおそれ 専門家「今後も続く」
今シーズン、全国各地で鳥インフルエンザの発生が異例のペースで相次ぎ、処分されるニワトリなどの数が過去最も多くなるおそれが高まっています。専門家は「まだ流行の前半戦であり、今後も発生の可能性が非常に高い時期が続く」と厳しい見通しを示しています。
今シーズン、高病原性の鳥インフルエンザが全国各地の養鶏場などで発生していて、処分の対象となったニワトリなどの数は、28日までにおよそ730万羽に及んでいます。
このペースで発生が続いた場合、過去最も多かったおととしから去年にかけてのおよそ987万羽を上回るおそれが高まっています。
異例のペースで発生が相次ぐ理由について、鳥インフルエンザに詳しい北海道大学の迫田義博教授は「今シーズンは、ウイルスに感染した渡り鳥の飛来が少なくとも9月下旬に始まり、これまでで最も早かった。さらに国内のさまざまな地点に到達したことで、例を見ないほどウイルスが持ち込まれた」と指摘しました。
そのうえで、今後の見通しについて、「飛来した渡り鳥が国内で移動するとウイルスが運ばれ続けるほか、カラスなどの国内に定着している鳥にも感染が広がり、ウイルスが維持される状況が春まで続くと考えられる。まだ流行の前半戦であり、養鶏場などでの発生の可能性は非常に高い時期が続くので、生産現場には衛生対策の徹底を継続してほしい」と呼びかけています。
専門家「流行続くリスクが高まっている」
