ウクライナ 東部ルハンシク州内の拠点奪還めぐり攻防激化か

ロシアが侵攻するウクライナでは、東部ルハンシク州でも、ウクライナ軍が奪還を目指す州内の拠点をめぐって双方の攻防が激しくなっているとみられます。
一方、ロシアのプーチン政権は、一方的に併合したとするウクライナの4つの州はロシアの領土だとする主張を改めて示し、強硬な姿勢を崩していません。

ウクライナ軍は、ロシアに支配された領土の奪還を目指して反転攻勢を続けていて、このうちロシア軍がことし7月に全域の掌握を宣言した、東部ルハンシク州では、要衝クレミンナの奪還に向けて攻勢を強めているとみられています。

戦況を分析するイギリス国防省は28日、「ロシア軍がここ数日、クレミンナ周辺での軍備を増強している可能性が高い。ロシア軍は東部ドンバス地域の戦闘において、クレミンナを物資輸送などの拠点として重視している」と指摘していて、双方の攻防がさらに激しくなるとみられます。

一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は、和平に向けて、ロシア軍のウクライナからの撤退やウクライナの領土保全の回復など、10の項目を掲げています。

これについて、ロシア大統領府のペスコフ報道官は28日、「ロシアの領土について、4つの新たな州がロシアに編入したという今の現実を無視する和平案はありえない」と主張しました。

ロシアのプーチン政権は、一方的な併合に踏み切ったウクライナの4つの州をウクライナがロシアの領土だと認める必要があるとの強硬姿勢を崩しておらず、和平に向けた道筋は見えていません。