中国 新型コロナ 北京や内陸部で重症患者増 医療ひっ迫深刻に

新型コロナウイルスの感染が急拡大する中国では、首都 北京や内陸部で重症の患者が増加するなど、医療体制のひっ迫が一層深刻になっています。

中国では、政府が今月7日に新型コロナウイルスの感染対策を緩和したあと、各地で感染が急拡大しています。

中国メディアによりますと、このうち北京の大学病院の1つでは、治療を受ける重症の患者が一日当たり500人を超えるなど、深刻な状況が続いているということです。

また、医療体制がぜい弱な内陸部でも重症の患者が増えていて、安徽省にある病院の救急外来では、医療従事者全員の陽性が確認されましたが、代わりの医師や看護師がいないため、39度の熱があっても解熱剤を飲んで勤務を続けているということです。

この救急外来では一日当たり1000人以上を診察し、重症化のリスクが高い基礎疾患のある人や高齢者を優先して治療しているということです。

一方、ロイター通信が28日に配信した、四川省成都にある火葬場の映像には、車の長い列が映っていて、多くの人が死亡していることをうかがわせています。

感染による死者は27日、国内全体で3人にとどまっていますが、中国の感染症の専門家は、基礎疾患のある感染者が重症化して死亡した場合は新型コロナによる死者に数えないという見解を示しています。

イタリア 中国からの航空便 全乗客にウイルス検査義務づけ

中国で新型コロナウイルスの感染が急拡大していることを受けて、イタリアのスキッラーチ保健相は28日、中国から航空便で到着したすべての乗客に対して新型コロナウイルスの検査を義務づけると発表しました。

この中でスキッラーチ保健相は「今回の措置は、イタリア国民を守るためで、ウイルスを監視し、新たな変異がないか確認するために不可欠だ」と指摘しています。

また、地元メディアによりますと、今月26日に中国からミラノの空港に到着した2つの便の乗客あわせて212人を検査したところ、97人が陽性だったということです。

アメリカ 中国からの航空便 搭乗時に陰性証明の提示義務づけ

中国で新型コロナウイルスの感染が急拡大していることを受け、CDC=アメリカ疾病対策センターは28日、中国から航空便で到着する2歳以上の乗客に対し、出発の搭乗の際に新型コロナウイルスの検査の陰性証明を提示することを1月5日から義務づけると発表しました。

CDCは今回の措置を国籍やワクチン接種の有無にかかわらず適用するとしていて、中国からほかの国を経由してアメリカに到着する乗客にも適用されるということです。

CDCは「中国で新型コロナの感染が拡大する中、アメリカ国内での感染拡大を抑えるために今回の措置を行うことにした」としています。