野生動植物 違法取り引き急増 世界一斉取締り 900人余検挙など

インターポール=国際刑事警察機構などは、世界120か国以上で野生の動植物の違法な取り引きの一斉取締りを行い、900人余りを検挙するなどしました。押収した件数は去年の2倍以上で、当局は、新型コロナの水際対策が緩和されたことで密輸が増えているとみて警戒を強めています。

インターポールとWCO=世界税関機構は、各国の関係機関と協力して、ことし10月末までのおよそ1か月間、日本を含む世界の125か国で、野生の動植物の違法な取り引きなどの一斉取締りを行いました。

その結果、タイの空港では、国際希少野生動植物種に指定されている「インドホシガメ」合わせて81匹が、乗客の荷物の菓子袋の中から押収されました。

また、インドの空港で、マレーシアから持ち込まれた箱の中からおよそ1200匹のイグアナやトカゲなどが見つかるなど、インターポールによりますと、押収した件数は去年と比べて2倍以上となるおよそ2200件に上り、930人余りを容疑者として特定して、検挙するなどしました。

当局は、各地で新型コロナの水際対策が緩和され人の往来が増えたことや、電子商取引が活発となり、取り引きが分かりにくくなったことで、密輸が増えているとみて警戒を強めています。

WCOの御厨邦雄事務総長は「コロナ禍で一段とデジタル化など取り引き形態の多様化が進んだ。希少な動植物の保護にはさらなる国際協力が重要だ」と話していました。