衰弱のアザラシ 回復して海へ 流氷研究に貢献も 北海道 紋別

ことし5月にオホーツク海沿岸で、衰弱した状態で保護されたメスのアザラシが28日、北海道紋別市で海に帰されました。

紋別市にある「オホーツクとっかりセンター」では、衰弱したアザラシの保護活動を行っています。

センターではことし5月に、オホーツク海沿岸の北海道雄武町で1頭のゴマフアザラシの赤ちゃんを保護し、体調が十分に回復したことから海に帰すことになりました。

28日、保護していたアザラシをセンターの近くの港で海に帰し、職員たちがときおり振り返るアザラシに手を振っていました。

このアザラシには流氷研究に役立てるため、水温や塩分濃度などのデータを送る機器が取り付けられていますが、重さ500グラムほどで、泳ぐ際に邪魔にならず、春に毛が抜け替わると自然と外れるということです。

「オホーツクとっかりセンター」の渡辺美玖さんは「保護した時はやせて弱っていましたが、元気に回復してくれました。これからは野生のアザラシと仲よくして、元気に長生きしてほしいです」と話していました。

アザラシに取り付けた機器のデータをもとに研究を行う京都大学野生動物研究センターの三谷曜子教授は「アザラシによって、人間がたどりつけない場所のデータも観測できる。この研究によって、氷が海にもたらす影響とアザラシの行動を見られればと思っている」と話していました。