ことしの書籍と雑誌の販売額 18年連続で前年を下回る見通し

書籍と雑誌を合わせた、ことしの国内の出版物の販売額は、推計で去年よりおよそ6%減少し、18年連続で前の年を下回る見通しとなりました。

出版業界の調査や研究を行う出版科学研究所のまとめによりますと、ことし国内で出版された書籍と雑誌の売り上げは、1月から先月までの販売実績をもとにした推計で、去年よりもおよそ6%少ない1兆1300億円台と、18年連続で前の年を下回る見通しとなりました。

このうち書籍の売り上げだけをみると、去年は新型コロナの影響で自宅で過ごす人が増えたことなどから15年ぶりに増加に転じていましたが、ことしは前の年から大きく落ち込む見通しとなりました。

また、書籍のジャンル別では、国内旅行の需要が回復したことなどから旅行ガイド本を含む「地図・ガイド」だけは前の年を上回ったものの、「文芸書」や「ビジネス書」などそのほかのジャンルは大きく落ち込んだということです。

雑誌の売り上げについても、漫画でヒット作が相次いだ去年と比べて10%近いマイナスとなる見込みです。

出版科学研究所は「ことしは物価上昇によるさまざまな商品の値上げが相次いで、消費者の買い控えの動きもみられた。書籍の新刊の平均価格も前の年の同じ時期と比べて2%上がっていて、来年以降もさらなる上昇が予想される」としています。