東京 墨田区の工場火災 これまでに5棟が焼ける 従業員1人けが

27日午前、東京 墨田区の2階建ての工場から火が出て近くの建物に燃え広がり、これまでに合わせて5棟が焼けました。火はほぼ消し止められましたが、1人が煙を吸ってけがをしたということです。

27日午前10時ごろ、東京 墨田区立花にある「第一化学工業所」の工場から火が出ていると、近くにいた人から警視庁や消防に通報がありました。

東京消防庁が消防車69台を出して消火活動にあたり、火はおよそ5時間後にほぼ消し止められましたが、火元の工場と近くの建物合わせて5棟、およそ2600平方メートルが焼けました。

工場には当時、合わせて13人の従業員がいて、1人が煙を吸ってけがをしたということです。

会社のホームページによりますと「第一化学工業所」は液体せっけんや化粧品などを製造していて、警視庁によりますと、従業員は「タンクでせっけんを作る際に火が出たのではないか」などと話しているということです。

工場では化学薬品を扱っていたという情報もあり、警視庁などが周辺の住民に避難を呼びかけました。

現場は、東武亀戸線の東あずま駅から東に400メートルほどの住宅や工場などが密集する地域です。

小学校に避難所を開設

墨田区によりますと、火災現場の工場の周辺に煙が広がっているため、近くの東吾嬬小学校を避難所として開設しました。

また、工場の近隣の認定こども園では、園児を複数の区立保育所に避難させたということです。

隣接する江戸川区でも、平井コミュニティ会館、中平井コミュニティ会館、平井小学校の3か所を避難所として開設しています。

現場近くの会社勤務の男性「パーンというような破裂音」

現場の近くの会社に勤める48歳の男性は、「職場にいたところ、消防車が集まってきて火事があったことが分かりました。火が出てからしばらくしてパーンというような破裂音がしました。煙もすごかったし、プラスチックが燃えるような臭いもしました。会社が工場の近くにあって中に入れないので、きょうはもう帰るしかないと思っています」と話していました。

近くに住む70代男性「5、6回地響きのような音聞こえた」

現場の工場の近くに住む70代の男性は「近くで火事があると聞き、外を見ると火と煙が上がっていて、5、6回地響きのような音が聞こえました。近くでこのような大きな火事がありとても怖いです」と話していました。

近くに住む30代女性「有毒な煙が発生するおそれで避難」

現場の近くに住む30代の女性は「家にいると『有毒な煙が発生するおそれがあるので避難してください』と呼びかけがありました。貴重品だけ持ってすぐに外に出ましたが、1時間以上も状況が変わらず困っています」と話していました。

墨田区 循環バスを近くの停留所に停車させない対応

墨田区によりますと、この火災の影響で、区の循環バスについて、現場の近くの停留所には停車させない対応をとっているということです。

停車しない停留所は、北東部ルートの立花大正民家園入口、白鬚神社入口、立花四丁目の3か所です。

消火活動のため一部の道路が通行止めになっている影響だということで、墨田区では、区のホームページやツイッターで運行状況を確認して欲しいとしています。