メガネ型端末で遠隔検査も 海外からの貨物急増で税関態勢強化

国境を越えたネット通販の広がりで、航空便による海外からの貨物が急増する中、税関は、違法薬物やコピー商品が国内に流入するのを防ごうと、遠隔からの指示を受けながら水際での検査を行うことができるメガネ型の端末など、最新の機器を現場の検査に活用します。

新型コロナによるいわゆる「巣ごもり需要」でネット通販の利用が拡大したことなどを背景に、海外から航空便で国内に発送された貨物の件数は、去年8000万件を超え、3年前の2倍に急増しました。

これに伴って、税関が水際で違法な薬物やコピー商品などが貨物に紛れ込んでいないかをチェックする業務の負担も増えていることから、新たな機器を活用して検査の態勢を強化する方針です。

来年2月には、東京税関など5つの税関が「スマートグラス」と呼ばれるメガネ型の端末を導入します。

検査を担当する職員がスマートグラスをかけることで、検査の様子が遠くにいる人にも映像で共有されます。

このためベテラン職員が遠隔から検査のポイントを指示することもできるということです。

また、X線検査装置による画像解析をより迅速に行うためAI=人工知能を活用することも検討されていて、薬物などを自動的に検出することを目指しています。

財務省税関調査室の荒巻英敏室長は「荷物が増える中でも先端技術を有効利用するなど組織の中の経験や能力を最大限活用するような工夫が必要になっている」と話しています。