ロシア南部 空軍基地で爆発 3人死亡 ウクライナの無人機攻撃か

ロシア南部の空軍基地で爆発が起き、ロシア国防省はウクライナの無人機による攻撃で軍の兵士3人が死亡したと発表しました。
この空軍基地は、今月上旬にもウクライナ側からとみられる攻撃を受けたばかりで、ロシアのプーチン政権は事態を深刻に受け止めている可能性があるとみられます。

ウクライナとロシアの地元メディアは26日、ロシア南部サラトフ州のエンゲルスにある空軍基地で2回爆発が起きたと伝えました。

爆発が起きたのは26日の未明で、現場ではサイレンが鳴り響き、消防隊員が現場に向かったということです。

サラトフ州の知事は26日、SNSに、「軍事施設で起きたことについては確認中である。市内の住宅地での緊急事態は発生していない。民間のインフラには被害はない」などと投稿しています。

これについて、ロシア国防省は26日朝、ウクライナの無人機による攻撃を受けたとロシアの国営通信社を通じて発表しました。

そのうえで、「無人機は撃墜したが、そのときの破片が落下し、ロシア軍の兵士3人が死亡した」としています。また、基地の航空機には被害は出ていないとしています。

一方、ウクライナ空軍の報道官は地元メディアに対し「われわれがよく知る新たな『爆発』が起きた。ロシアがわれわれの土地で行っていることに対する結果だ」と述べ、ロシアへの攻撃を示唆しました。

エンゲルスの空軍基地は、多くの戦略爆撃機が配備されているロシア軍の戦略的な重要な拠点ですが、今月5日も爆発が起きてウクライナ側の無人機による攻撃とみられていて、ロシアの独立系メディアは長距離戦略爆撃機ツポレフ95が2機、損傷したと伝えていました。

プーチン政権は、ロシア領内での攻撃への警戒を強化する中で、ウクライナ側から再び攻撃を受けたとして事態を深刻に受け止めている可能性があるとみられます。

英国防省 “爆発があった空軍基地 ロシア軍の主要拠点”

エンゲルス空軍基地は、首都モスクワから南東におよそ700キロ離れたロシア南部サラトフ州にあります。

またウクライナ東部との国境からおよそ500キロ、ウクライナ軍が拠点とする地域から600キロほど離れています。

戦況を分析しているイギリス国防省は今月6日、エンゲルス空軍基地について30機以上の爆撃機が配備されているロシア軍の主要な拠点だと指摘しています。

複数の欧米メディアは、この空軍基地には核兵器貯蔵施設があり、核兵器を搭載できる戦略爆撃機などが配備されていることから、ロシアの核戦力の拠点としても重要な場所だと伝えています。

またロシアの独立系メディアは、この空軍基地はウクライナ各地のエネルギー関連施設などへ空爆を行っている爆撃機の出撃拠点だと伝えています。