大相撲 逸ノ城 1場所出場停止 ガイドライン違反して外出し飲酒

大相撲の平幕、逸ノ城が日本相撲協会が定める新型コロナウイルスのガイドラインに違反して外出し、飲食店で酒を飲んだとして、相撲協会は逸ノ城を1場所出場停止の懲戒処分としました。

相撲協会によりますと、逸ノ城は所属する湊部屋の親方夫人に対する暴行の疑いで相撲協会が委嘱したコンプライアンス委員会が事実関係を調査したところ、協会の新型コロナウイルスのガイドラインに違反していたことが分かったということです。

具体的には、おととし11月と去年8月の2回にわたって外出制限を破って都内の飲食店に行き、酒を飲んだということです。

相撲協会は、26日午後から東京 両国の国技館で臨時の理事会を開き、逸ノ城について1場所の出場停止とする懲戒処分としました。

逸ノ城は、26日の理事会に出席し「すみませんでした」などと謝罪したということです。

また、師匠の湊親方については、指導監督が不十分だったとして20%の減給3か月の懲戒処分となりました。

一方、相撲協会によりますと、親方夫人に対する暴行の疑いについては一部の事実を確認したものの、悪意のある暴行ではなく、5年以上前の出来事で夫人に処分を求める感情がないことから処分理由に含まれませんでした。

逸ノ城とは

逸ノ城は、モンゴル出身の29歳。
身長1メートル90センチ、幕内最重量となる体重212キロの角界屈指の巨体を生かした四つ相撲が持ち味です。

12年前の平成22年、横綱 照ノ富士とともに来日し、相撲の強豪、鳥取城北高校に入学して相撲に取り組みました。

高校卒業後も相撲を続け、平成25年には全日本実業団選手権の個人戦で優勝して湊部屋に入門し、平成26年初場所で、幕下15枚目格付け出しで初土俵を踏みました。

その年の夏場所で十両に昇進してすぐに十両優勝し、秋場所で新入幕を果たしました。

そして13勝2敗で殊勲賞と敢闘賞を同時に受賞し、続く九州場所で幕下付け出しでの初土俵からわずか5場所で関脇に昇進しました。

昭和以降では最も早いスピード出世でした。

当時は一緒に来日した照ノ富士をしのぐ存在感を示していましたが、その後、しばらく腰痛や右肩のけがに悩まされる状態が続き、おととしの初場所で十両に番付を落としました。

それでも同じ年の秋場所に幕内に復帰し、ことし7月の名古屋場所では12勝3敗の成績を挙げ新入幕から8年で初めての優勝を果たしていました。