【詳しく】“伝説の投資家”に聞く 来年の経済どうなる?

2023年の世界経済、そして日本経済はどうなるのか。
伝説の投資家として知られるジム・ロジャーズ氏に聞きました。

ジム・ロジャーズ氏とは

シンガポールを拠点に活動するジム・ロジャーズ氏は1970年代にアメリカで投資ファンドを設立し、驚異的な利益をあげたことで知られる著名な投資家です。

Q. 世界経済の課題 インフレ 2023年の見通しは?

A. 世界の中央銀行は過去数年間の金融緩和によって歴史上まれに見る規模の資金を供給してきた。これが将来、より深刻な問題になると考えなくてはならない。各国の利上げでこの問題は1年で解決できるものではなく金利はわずかに引き上げられたにすぎない。アメリカが深刻なインフレに悩まされていた1970年代や80年代には金利はもっと高かった。深刻な問題は進行しているところで、インフレはまだ収束しない。

Q. 日本経済はどうなる?

A. 日本は貿易国なので、貿易相手の経済に問題があれば、悪影響を受けることになる。アメリカやヨーロッパ、中国の経済の問題は、日本経済にも課題となる。ただ来年は日本だけでなく、世界のほとんどの人が経済の課題に直面することになる。

Q. 2022年は円安が進んだ 2023年の円相場は?

A. 私にとってはもっと円安が進まなかったことが驚きだった。日銀はここ数年、大規模な金融緩和を行ってきたからだ。通貨安は長期的な視点でみると経済的な成功にはつながらない。日本は歳出拡大をやめ、借金に依存することをやめ、歳出と歳入のバランスをとり、金融緩和をやめることが必要だが、日本はそれをやろうとしないだろう。

Q. 世界経済にとっての最大のリスクは?

A. 各国の中央銀行が最大のリスクになる。これまでの金融緩和で資金供給を行いすぎている。いいニュースが飛び込んできて物価上昇が落ち着くと中央銀行は「われわれの成果だ」といい、再び緩和方向に動き始める。そうすることでインフレが再燃するだろう。中央銀行はすでに間違いをおかし、今後もさらに誤ったことをするだろう。そして人々は苦しむことになる。