中国でコロナ感染者が急増 政府機関発表は実態を反映せず

中国で新型コロナウイルスの感染が急拡大するなか、東部 浙江省の政府は25日、一日当たりの新規感染者が100万人を超えていると発表しました。
これに対し政府機関が発表した新たな感染者は極端に少なく、実態を反映していない状況に陥っています。

中国政府が今月7日に新型コロナウイルスの感染対策を緩和したあと各地で感染が急拡大し、このうち東部 浙江省の政府は25日、一日当たりの新規感染者が100万人を超えていると発表しました。

浙江省は人口およそ6500万で多くの日系企業が拠点を置いていますが、省の保健当局によりますと、この年末年始に感染がピークとなり、一日当たりの新規感染者は最大で200万人に上る見通しだとしています。

これに対し、国の感染症対策を担う政府機関、中国疾病予防センターが発表した国内全体の24日の新たな感染者は2940人と極端に少なく、このうち浙江省はわずか22人と実態を反映していない状況に陥っています。

中国政府が、感染を徹底して抑え込むこれまでの「ゼロコロナ」政策を事実上、転換する中、今後、感染の実態把握をめぐっても混乱が続きそうです。

松野官房長官「個別相談など在留邦人の支援に尽力」

松野官房長官は、記者会見で「鋭意、情報収集をしており、在留邦人を含む市民生活や日系企業の活動、中国経済に与える影響を注視している。在中国大使館などを通じて在留邦人や日系企業と緊密に連絡を取り合い、実態の把握に取り組みつつ、個別の相談に応じるなど支援に尽力している」と述べました。

そのうえで「把握しているかぎりでは、邦人1人が死亡したことを19日に確認した以外に、死亡事例の報告は受けていない。中国から日本への直行便は通常どおり運航されていると承知しているが、在留邦人の帰国支援のニーズがあれば、個別の相談に応じるなど、できるかぎり対応していく」と述べました。