【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(25日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる25日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ウクライナ クリスマスを祝う一般の家庭では

ウクライナでは、伝統的に1月7日にクリスマスを祝ってきましたが、近年は、同じ7日にクリスマスを祝うロシアへの反発を背景に12月25日に祝おうという動きが一般の家庭でも広がっています。

このうち、首都キーウに住むユリア・コルジュさんは、軍事侵攻を理由にことし初めて25日にクリスマスを祝うことにしました。

コルジュさんは「ロシアは私たちからすべてを奪っています。同じ祝日は過ごしたくありません」と話していました。

首都キーウでは、ロシアによる攻撃の影響で電力の供給が不足していて、コルジュさんの住む地域でもここ最近まで計画停電が続いていました。

日中のほとんどの時間電気が使えない日もあったということで、自宅のキッチンには非常時に携帯電話の充電などができるように車のバッテリーが用意されていました。

また、コルジュさんは毎年、クリスマス前日の夜に家族や友人を自宅に招いていて、ことしは24日の朝からウクライナの伝統料理「クチャ」などの準備に追われていました。

「クチャ」は、ウクライナでクリスマスの前日の夜など、特別な日に限って食べられる料理で、ゆでた麦やナッツ、果物などを蜂蜜と一緒に混ぜて作ります。

家庭によってレシピが異なり、コルジュさんはアーモンドやカシューナッツのほか、干したアプリコットやパイナップルなどを入れていました。

夜には集まった家族や仲間たちと料理やお酒を楽しみながら近況を報告したり冗談を言ったりしていました。

コルジュさんは「人数は少ないですが、こうして集まれたことをうれしく思います。私たちは強く、独創的で、どんな状況にも適応できる国民です。この戦争に必ず勝ちます」と話していました。

戦地でクリスマスイブを過ごす兵士たちも

ロイター通信は、ウクライナの戦地でクリスマスイブを過ごす兵士たちの映像を配信しました。

場所は、東部ドンバス地域のウクライナ側の拠点の1つで激戦地となっているドネツク州のバフムトです。

クリスマスイブの24日に撮影された映像では、爆発音が何度も響く中、ウクライナの兵士がクリスマスツリーに赤や金など色とりどりの飾りを次々とつけ、ざんごうのそばに持って行く様子が写されています。

兵士の1人は、このツリーは爆撃を受けたガソリンスタンドの近くにあったものだと話していました。

別の兵士は「戦時中であっても、クリスマスはクリスマスであるべきです。家族と一緒にいられないのはつらいですが、来年のホリデーシーズンに家族や親しい人と過ごすために私たちはここにいるのです」と話していました。

このほか映像では、兵士がざんごうの中で銃を構えたりする様子のほか、料理をしたりボルシチを食べたりする様子も写されています。

ウクライナ 軍事侵攻続く中 教会でクリスマスイブの礼拝

ウクライナでは、軍事侵攻を受けてこれまでどおりロシアと同じ1月7日にクリスマスを祝うことに強い拒否感を持つ人も出ていることから、24日、各地の教会ではクリスマスイブの礼拝が行われました。

しかし、ロシア軍による軍事侵攻は続いています。

南部の要衝ヘルソンのヤヌシェビッチ州知事は、24日、SNSへの投稿で、ロシア軍の攻撃でこれまでに10人の死亡が確認されたと発表しました。

ゼレンスキー大統領「攻撃はクリスマスの夜明けを消し去れない」

ウクライナのゼレンスキー大統領はロシアによる軍事侵攻が始まってから10か月となった24日、クリスマス・イブにあわせて動画を公開しました。

この中で、ゼレンスキー大統領は「ことしは、残念ながらわれわれにとってすべての祝日が苦い後味を残すものだ。家もまちも明るくなく、クリスマスの鐘の音も大きく響かず、空襲のサイレンや、銃声、爆発音が聞こえるかもしれない」と述べました。

そのうえでことし2月24日に侵攻が始まってから、ロシア側と300日余りにわたり戦闘を行ってきたと強調し「2月24日のこと、そして、すぎ去った多くの事を思い出そう。無人機による攻撃はクリスマスの夜明けを消し去ることはできない。そして、ミサイルはわれわれの鋼の精神の前に壊れるだろう。われわれは戦いを止めることなく続けていく」と呼びかけ徹底抗戦を続けていく姿勢を改めて示しました。