ウクライナ 軍事侵攻10か月 ロシア軍の大規模攻撃に警戒

ロシアがウクライナへの軍事侵攻を始めてから24日で10か月となります。ロシア側は東部ドネツク州の掌握に強い意欲を示すなど、年を越しても侵攻を続ける構えで、ウクライナ側は来年の早い時期にもロシア軍が大規模な攻撃を仕掛けてくる可能性もあると警戒を続けています。

ウクライナへ侵攻を続けるロシア軍は、ことし10月からウクライナ各地の発電所などインフラ施設を標的にしたミサイルや無人機による大規模な攻撃を繰り返しています。

また、ロシア軍は東部ドネツク州内のウクライナ側の拠点の一つ、バフムトの掌握を狙い、激しく攻撃を続けていて、ロシア軍の制服組トップ、ゲラシモフ参謀総長は22日「ドネツク州の解放を完了させることに集中している」と述べました。
ロシアのプーチン大統領は23日、首都モスクワの南にあるトゥーラの兵器工場を視察し、軍需産業の関係者に「最も重要な課題は前線の部隊に兵器や弾薬など必要なものすべてを最短の期間で供給することだ」と指示し、軍事侵攻を続ける構えを示し、停戦につながる兆しは見えません。

ウクライナでは厳しい冬が訪れる中、停電などによる市民生活への影響が深刻化しているほか、国内外に避難した人は、避難先での年越しを余儀なくされます。
一方、ウクライナ側は、アメリカが供与を表明した地対空ミサイルシステム「パトリオット」など、欧米側の軍事支援も受けてロシアの攻撃に対抗するとともに、領土奪還に向けた反転攻勢を続ける構えです。

また、ウクライナ側は、ロシア軍が来年2月など早い時期に首都キーウなどに対し、大規模な攻撃を仕掛けてくるのではないかと警戒を続けています。

プーチン大統領は、今週、同盟関係にあるベラルーシを訪問して、ウクライナへの参戦などさらなる軍事的な協力を求めたともみられています。

また、戦闘の長期化で兵器不足に直面する中、ロシアはイランや北朝鮮からも兵器の調達を進め、軍事侵攻を続けようとしていると指摘されています。