大雪 平年大きく上回る積雪 除雪中の事故相次ぐ 安全確保を

冬型の気圧配置の影響で北日本や東日本の山沿いを中心に雪が降っています。各地で平年を大きく上回る積雪となっていて、引き続き交通への影響に十分注意が必要です。

一連の大雪では、除雪中の事故や落雪による被害が相次いでいて、作業は必ず2人以上で行うなど安全を確保してください。

気象庁によりますと、強い冬型の気圧配置の影響で22日から24日にかけて北海道から九州にかけての各地で大雪となり、名古屋市や高知市などの平地でも積雪が観測されました。

25日も北日本と東日本の山沿いを中心に雪が降っていて、今月17日からの一連の大雪で、積雪が平年の3倍以上に達しているところもあります。

午後2時の各地の積雪は
▽山形県西川町大井沢で1メートル50センチ
▽北海道の遠軽町白滝で1メートル16センチ
▽岐阜県郡上市の長滝で62センチ
▽新潟県十日町市で38センチ
▽群馬県みなかみ町で35センチなどとなっています。

除雪中の事故相次ぐ 安全確保を

雪のピークは越えましたが、冬型の気圧配置は続くため、このあとも北日本や東日本の山沿いを中心に雪が降り、断続的に強まるところもある見込みで、積雪や路面の凍結による交通への影響に引き続き十分注意が必要です。

また、この冬は屋根からの落雪や雪下ろしなど除雪作業中の事故に巻き込まれたりして亡くなる人も相次いでいます。
雪下ろしの際は、低い屋根でも安全帯を装着して体と建物を命綱で結んで転落の防止を徹底するほか、作業は2人以上で行うなど安全を確保してください。

軒下は雪や「つらら」が落ちてくるおそれがあり、近づかないようにしてください。

積雪の多い地域では雪崩にも注意が必要です。

大雪で14人死亡 34人重傷 53人軽傷(25日午前9時)

総務省消防庁のまとめでは、今月17日からの断続的な大雪で、25日午前9時現在、14人が死亡し、34人が重傷、53人が軽傷となっています。

死亡した人の内訳は、北から順に、北海道幕別町で1人、青森県十和田市で1人、秋田県の由利本荘市と東成瀬村、横手市でそれぞれ1人、山形県鶴岡市で1人、新潟県の柏崎市と小千谷市でそれぞれ2人、長岡市で1人、石川県輪島市で1人、愛媛県久万高原町で2人です。

自宅近くの雪の中で90代女性が死亡 愛媛 久万高原町

24日、愛媛県久万高原町で90代の女性が自宅近くの高さ3メートルほどの崖下で雪の中で見つかり、死亡が確認されました。

久万高原町では、23日も県道で60代の男性が雪の中で倒れているのが見つかり、病院に搬送されましたが、死亡が確認されています。これで今回の大雪で愛媛県内で亡くなった人は2人になりました。

町内では23日、統計を取り始めてから最も多い76センチの積雪が観測されていました。

女性が雪に埋まり死亡 屋根からの落雪か 山形県長井市

24日午後5時前、山形県長井市草岡の住宅の敷地内でこの家に住む高世淳子さん(76)が雪に埋まっているのを近くに住む親族が見つけました。

高世さんは発見された当時は意識があり、病院に搬送されましたが、およそ3時間後に死亡が確認されたということです。

高世さんは独り暮らしで、倒れていた場所の近くからは、スコップが見つかったということで、警察は除雪作業をしていた高世さんが屋根から落ちてきた雪の下敷きになった可能性があるとみて詳しい状況を調べています。

高齢女性が雪に埋もれ見つかり死亡 北海道遠軽町

24日午前11時半すぎ、遠軽町生田原の住宅を訪れた民生委員から「住んでいる人の姿が見当たらない」と警察に通報がありました。

駆けつけた警察官と救急隊員が敷地内を探したところ、高齢の女性が玄関の軒下近くで雪に埋もれて、うつ伏せの状態で倒れているのを見つけ、女性はその後、死亡が確認されました。

警察によりますと、この家には1人暮らしとみられる80代の女性が住んでいて、服装などから警察は除雪中に屋根から落ちてきた雪に巻き込まれたとみて調べています。

除雪機に巻き込まれ指切断のけが 山形県大蔵村

24日朝早く、山形県大蔵村で自宅の敷地内で除雪作業をしていた50代の男性が除雪機に手を巻き込まれ、指を切断するなどの大けがをしました。

警察によりますと、家族は「男性が除雪機に詰まった雪を取り除こうとしたところ、手を巻き込まれた」と話しているということです。

山形県は除雪機に詰まった雪を取り除くときは必ずエンジンを止め、専用の雪かき棒を使うよう呼びかけています。

雪下ろし中に転落し大けが 山形県鶴岡市

24日午前、山形県鶴岡市で車庫の屋根の上にのぼって雪下ろしをしていた60代の男性が3メートル下の雪の上に転落し、腰の骨を折る大けがをしました。

男性は1人で雪下ろしの作業を行い、命綱は付けていなかったということで、警察は当時の状況を詳しく調べています。

警察は雪下ろしの作業は、家族や近所の住民に声をかけて2人以上で行い、屋根に上る際は命綱やヘルメットなどの安全装備を使用するよう呼びかけています。