あなたの「ことしの1枚」は?

みなさんはことし、どんな写真を撮りましたか?

誰もがスマートフォンで気軽に写真を撮ることができるいま、2022年を振り返って最も印象深い写真はどれか、街のみなさんに聞きました。

ことしの思い出がいっぱい詰まったスマホから、それぞれのしあわせの形が見えてきました。

(大阪放送局カメラマン 福島浩晃、京都放送局カメラマン 中嶋路央、大津放送局カメラマン 川口ゆずか)

充実のおうち時間 そのわけは

京都 鴨川沿いのベンチでスマホ片手にくつろぐ和歌山県から来たという20代の女性。

見せてくれたのは、最近始めたという、自宅のウッドデッキでのバーベキューの写真。

「焼き鳥、おいしかったな。いろんな旅行も行ったけど、旦那さんと一緒にお家でゆっくりする時間が一番楽しいので選びました」

「あ、この人だ!」その先にあったしあわせ

鴨川べりを散歩しながら写真を撮っては互いにスマホを見せ合い、仲むつまじい様子の2人。

この日、自宅のある埼玉から京都までやってきたといいます。

11月1日に婚姻届を提出した時の写真を見せてくれました。

女性
「『あ、この人だ!』と思った人と結婚したらすごく幸せになれるかな、と」

新しいことに挑戦しました

鴨川の河原で着物姿の女性を見つけ、声をかけると京都の大学に通う大学生でした。

実家から娘に会いにきたというお母さんも一緒です。

大学生は春から着付け教室に通い始め、初めて自分ひとりで着付けができた時の写真を見せてくれました。さらに、この着物はお母さんが若い頃に着ていた着物だったそう。


「この子も以前は1から私に聞いてたんですけど、今回はほとんど自分で着付けができて、よく着られたなーって思いました」


「新しく習い始めて、それの集大成。ことし着たぞ!習ったぞ!っていう1枚ですね。できなかったことができるようになるのがすごくうれしかったです」

戻ってきた日常 戻ってきたしあわせ

大阪のメインストリート 御堂筋では、きらめくイルミネーションの下、活気ある人通りが戻りつつありました。

神戸の大学に通う仲よし2人組は、ことし久しぶりにできたことを挙げてくれました。
「ユニバーサルスタジオジャパン。この友達と4年ぶりに行きました。ずっと行こう行こうって言っていたんですけど、コロナとかで行けてなくて」
「EXILEのライブ。めっちゃ感動しました。泣きました」

今回のライブは開演前までは撮影OKだったそうです。

ずっとがまんしてきたからこそ、喜びもひとしおだったんですね。

結婚して42年の夫婦 仲よしの秘けつは

御堂筋では、結婚42年を祝う食事の帰り道というご夫婦にも出会いました。

夫が定年退職。時間にゆとりができ、先月久しぶりに夫婦で旅行に出かけました。

そのとき訪れた鳥取砂丘の写真を見せてくれました。


「来年コロナができるだけ落ち着いてくれたら、さらに海外にも行けたらね」


「お互いにちょっと距離を取りながら、行ける時には一緒に旅行や食事に行ったりできればいいんじゃないかしら」

仲よしの秘けつは、適度な「ディスタンス」ということですね。

「イルミネーションが大好きで!」でも選んだ写真は…

イルミネーションが大好きで、これまでにあちこち巡ったというまもなく還暦を迎える女性。

ことし一番の写真は、と期待して聞いてみると。

「この全身のコーディネートが一番気にいっていて。モデルみたいで一番のお気に入り!ハッピーハッピー、このまましあわせがつづきますように!!」

見せてくれたのはお気に入りの洋服を着て、京都 伏見稲荷大社に出かけた時に撮った写真。

背景も構図もポーズ決まって、会心の一枚でした。

一番の写真はイルミネーション…じゃなかったんですね。

もうすぐ8人目の孫も産まれる予定で、しあわせいっぱいでした。

行ってよかった!大変だったけど…

滋賀県大津市、休日の広場が親子連れでにぎわっていました。

赤ちゃんをだっこするお母さんのそばで、5歳のお兄ちゃんが元気いっぱいに走り回っていました。話を聞くと、この夏、5年ぶりの家族旅行に出かけたそうです。

神戸からフェリーで大分・宮崎・鹿児島を巡る3泊4日の旅。

家族にとって忘れられない大冒険になりました。

「ずっと行きたかったんですけど、妊娠していたり、コロナで自粛が続いたりしてなかなか行けなくて…。久しぶりに家族で遠くに旅行しました。コロナでできないこととかいっぱいあるんですけど、家族で思い出作れたのはすごく大変だったけど良かったです。」

君の笑顔に励まされ

同じ場所で、ことし3月に2人目の子が産まれ、日々子育てに忙しいというお母さんにも出会いました。

長男が幼稚園に入園、着替えや歯磨き、出かける前の準備に追われ、ついつい、せかしたり怒ったりして、後から反省することもあるのだとか。

そんな毎日の中で、力をくれるのは、やっぱり子どもたちの笑顔だそうです。

「どんな時でも『お母さん大好き』って言ってくれるので、とにかくありがたいです。家でも外でも明るくいてくれて、ほんとありがとうって思います。子どもの明るさにほんと元気もらえます」

家族みんなで描くしあわせ

広場で手作りの雑貨を販売していた40代の男性は、娘の夏休みの宿題を手伝った時の動画がことし一番印象に残っていると教えてくれました。

娘と一緒に作ったのは、海に打ち寄せられる漂着物で作った観覧車です。

この男性は、体調を崩してサラリーマンを辞め、環境を変えようと家族全員で三重県の海の近くの街に移住。

浜辺で目にした流木がきっかけで、漂着物や空き瓶を使って雑貨を手作りする仕事を始めました。

仕事も暮らしも軌道に乗ってきた今、家族の時間を何より大切にしています。

「海はいつも違う表情で、漂着してくるものもきれいな物ばっかりなんですよね、僕からしたら。方向転換して今がある。今となってはこうなってよかったなぁと思いますよね」

また来年も見たい桜

「ことしの1枚」を聞くにあたり、どうしても会いたい人がいました。

大阪市平野区に住む福井栄浩さん(63)です。
福井さんとは、去年の12月、大声で笑って翌年のしあわせを願う神社の行事で出会いました。

仕事にまい進していた40代、初めてがんを経験。

以来、大腸がん、胃がん、今は悪性リンパ腫と20年以上がんと闘ってきました。

8回の抗がん剤治療の末、今は体力的な面などから積極的な治療をやめ、自宅で経過観察を続けています。

去年、話を聞いたときには「笑って過ごせる1年にしたい」と2022年の抱負を語っていた福井さん。

ことしの1枚は――。
ことしの春に自宅近くの川沿いの桜を見に行った時に撮った1枚でした。

「ことし2022年は見られるかなって思っていたんで格別でしたね。来年もまた見たいなと思っていました。どこまで生きるかわかりませんけど、来年は誰かの役に立って生きることができればうれしいなと思ってます」

あなたの「ことしの1枚」は?

いつでも持ち歩くスマホには、その人ならではの写真がその思いと共に記録されていました。

あなたの「ことしの1枚」は?

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