ロシアの民間軍事会社 北朝鮮からロケット弾やミサイル調達か

ウクライナへの侵攻をめぐり、ロシアの民間軍事会社ワグネルが、北朝鮮からロケット弾やミサイルを調達しているとアメリカ政府が指摘しています。ワグネルと北朝鮮の双方が、これを否定していますが、ロシア軍の兵器不足が続く中、ワグネルの役割が一層拡大しているという見方がでています。

ウクライナへ軍事侵攻するロシアについて、アメリカ ホワイトハウスのカービー戦略広報調整官は22日、北朝鮮がロシアの民間軍事会社ワグネルに兵器を提供していると非難し、兵器はウクライナで使われるとの見方を示しました。

ワグネルが購入した兵器は、歩兵用のロケット弾やミサイルで、11月に北朝鮮がロシアに輸送したとしていて、カービー調整官は、兵器の輸出を禁止している国連安保理決議に違反しているとして、北朝鮮に対して直ちに兵器の取り引きをやめるよう警告しました。

また、ワグネルが、元受刑者4万人を含む5万人の兵士をウクライナに派遣していると非難しました。

これについて、ワグネルの代表、プリゴジン氏はSNSで「北朝鮮が長い間、ロシアに兵器を供給していないことは誰もが知っている。臆測にすぎない」とコメントしたほか、北朝鮮外務省の報道官も「事実無根だ」などと、双方が否定しています。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は22日、プーチン大統領に近いとされるプリゴジン氏が、みずからの影響力を高めるため、ロシア軍が兵器不足に直面する中、外国から兵器の調達の役割を担っている可能性があると指摘しています。

また、ロシアが掌握に強い意欲を示している、東部ドネツク州の激戦地、バフムトにもワグネルが多くの戦闘員を送り込んでいるとしていて、ウクライナへの侵攻において、ワグネルの役割が一層拡大していると分析しています。