松野官房長官は、記者会見で、現時点で被害の情報は確認されていないとした上で「北朝鮮はことしに入ってから、かつてない高い頻度でミサイル発射を繰り返し、朝鮮半島や地域の緊張を著しく高めている。急速に挑発をエスカレートする一連の行動は、わが国や地域、国際社会の平和と安全を脅かすもので断じて容認できない」と述べました。
そして「関連の国連安保理決議に違反するもので、北京の大使館ルートを通じて厳重に抗議し、強く非難した。引き続き、アメリカや韓国などの関係国と緊密に連携して対応するとともに、国民の生命や財産を守り抜くため、情報の収集・分析、警戒・監視に全力を挙げていく」と述べました。

北朝鮮から弾道ミサイルの可能性のあるもの EEZ外に落下か
防衛省によりますと、23日夕方、北朝鮮から弾道ミサイル、少なくとも1発が発射され、日本のEEZ=排他的経済水域の外側の日本海に落下したと推定されています。北朝鮮による弾道ミサイルの発射は今月18日以来で、防衛省が警戒を続けています。
防衛省によりますと、23日午後4時31分ごろ、北朝鮮の首都ピョンヤン近郊から弾道ミサイル、少なくとも1発が東の方向に発射されました。
最高高度は50キロ程度、飛行距離はおよそ300キロで、日本のEEZ=排他的経済水域の外側の日本海に落下したと推定され、変則的な軌道で飛行した可能性があるとしています。
日本の船舶や航空機への被害の情報は入っていないということです。
北朝鮮が弾道ミサイルを発射したのは、今月18日以来で、北朝鮮によるミサイル発射は、ことし36回目です。
防衛省が引き続き情報収集と警戒を続けています。
松野官房長官「厳重に抗議 強く非難」
韓国軍 “短距離弾道ミサイル2発 発射”
韓国軍の合同参謀本部の発表によりますと、北朝鮮は23日午後4時32分ごろ、首都ピョンヤン郊外の国際空港があるスナン(順安)付近から日本海に向けて短距離弾道ミサイル2発を発射しました。飛行距離は、それぞれ、およそ250キロとおよそ350キロだったとしていて、高度や速度は明らかにしていません。
北朝鮮は、今月18日にも、準中距離とみられる弾道ミサイル2発を発射していて、ことしに入っての発射は巡航ミサイルを含めてこれで36回と、かつてなく高い頻度です。
これに先だって北朝鮮外務省は23日朝、報道官談話を発表し、アメリカが国連安保理で北朝鮮を非難する議長声明の採択を目指しているとした上で「主権国家への最も重大な挑戦であり、われわれが必ず行動で反撃しなければならない極めて危険な行為だ」と非難したばかりでした。
また、アメリカ軍は今月20日、B52戦略爆撃機を投入して韓国軍と共同訓練を行うなど圧力を強めていることから、北朝鮮が今回の発射でアメリカへの反発を示した可能性があります。
北朝鮮は、今月18日にも、準中距離とみられる弾道ミサイル2発を発射していて、ことしに入っての発射は巡航ミサイルを含めてこれで36回と、かつてなく高い頻度です。
これに先だって北朝鮮外務省は23日朝、報道官談話を発表し、アメリカが国連安保理で北朝鮮を非難する議長声明の採択を目指しているとした上で「主権国家への最も重大な挑戦であり、われわれが必ず行動で反撃しなければならない極めて危険な行為だ」と非難したばかりでした。
また、アメリカ軍は今月20日、B52戦略爆撃機を投入して韓国軍と共同訓練を行うなど圧力を強めていることから、北朝鮮が今回の発射でアメリカへの反発を示した可能性があります。
岸田首相 情報収集や分析など指示
北朝鮮から弾道ミサイルの可能性があるものが発射されたことを受けて、岸田総理大臣は▽情報の収集と分析に全力を挙げ、国民に対し、迅速・的確な情報提供を行うこと▽航空機や船舶などの安全確認を徹底すること、それに▽不測の事態に備え、万全の態勢をとることを指示しました。
海保 日本に関係する船舶 被害情報なし
北朝鮮から弾道ミサイルの可能性がある飛しょう体が発射されたとみられることを受け、海上保安庁が日本周辺の海域で被害などの確認を進めていますが、これまでのところ日本に関係する船舶への被害の情報は入っていないということです。
12月18日以来 ことし36回目
北朝鮮が弾道ミサイルを発射したのは12月18日以来で、北朝鮮によるミサイル発射は巡航ミサイルを含めると、ことし36回目です。
防衛省などによりますと、北朝鮮が弾道ミサイルなどを発射したのは、ことしに入って36回目です。
これまでに▽1月に7回▽2月に1回▽3月に3回▽4月に1回▽5月に4回▽6月に1回▽8月に1回▽9月に3回▽10月に7回▽11月に6回▽今月に1回、それぞれ弾道ミサイルなどの発射を繰り返しています。
特に9月下旬から11月にかけては、あわせて16回と、これまでにない頻度で相次いで発射しています。
防衛省などによりますと、北朝鮮が弾道ミサイルなどを発射したのは、ことしに入って36回目です。
これまでに▽1月に7回▽2月に1回▽3月に3回▽4月に1回▽5月に4回▽6月に1回▽8月に1回▽9月に3回▽10月に7回▽11月に6回▽今月に1回、それぞれ弾道ミサイルなどの発射を繰り返しています。
特に9月下旬から11月にかけては、あわせて16回と、これまでにない頻度で相次いで発射しています。
過去にない異例の頻度で発射
北朝鮮はことし、過去にない異例の頻度で弾道ミサイルなどの発射を繰り返しています。
▽11月も発射を繰り返し、2日には南北の分断後初めて、海上の境界線を越えた1発を含めて、20発あまりのミサイルを発射しました。
▽3日には首都ピョンヤン郊外のスナン(順安)付近からICBM=大陸間弾道ミサイルの可能性がある1発と、ピョンアン(平安)南道ケチョン(价川)付近から短距離弾道ミサイル2発を発射しました。
▽また、同じ日の夜には、内陸部のファンヘ(黄海)北道コクサン(谷山)付近から短距離弾道ミサイル3発を発射しました。
その後も、短距離弾道ミサイルを相次いで発射し▽5日に北西部のピョンアン北道トンリム(東林)付近から4発▽9日に西部のピョンアン南道スクチョン(粛川)付近から1発▽17日に東部のウォンサン(元山)付近から1発をそれぞれ発射しました。
▽また18日には、ピョンヤン郊外のスナン付近からICBM級の1発を発射し、北朝鮮は「火星17型」の発射実験に成功したと発表しました。
▽そして今月は18日に、北西部のピョンアン北道のトンチャンリ(東倉里)付近から弾道ミサイル2発を発射し、北朝鮮は「偵察衛星の開発のための最終段階の重要実験」だったと発表していました。
▽11月も発射を繰り返し、2日には南北の分断後初めて、海上の境界線を越えた1発を含めて、20発あまりのミサイルを発射しました。
▽3日には首都ピョンヤン郊外のスナン(順安)付近からICBM=大陸間弾道ミサイルの可能性がある1発と、ピョンアン(平安)南道ケチョン(价川)付近から短距離弾道ミサイル2発を発射しました。
▽また、同じ日の夜には、内陸部のファンヘ(黄海)北道コクサン(谷山)付近から短距離弾道ミサイル3発を発射しました。
その後も、短距離弾道ミサイルを相次いで発射し▽5日に北西部のピョンアン北道トンリム(東林)付近から4発▽9日に西部のピョンアン南道スクチョン(粛川)付近から1発▽17日に東部のウォンサン(元山)付近から1発をそれぞれ発射しました。
▽また18日には、ピョンヤン郊外のスナン付近からICBM級の1発を発射し、北朝鮮は「火星17型」の発射実験に成功したと発表しました。
▽そして今月は18日に、北西部のピョンアン北道のトンチャンリ(東倉里)付近から弾道ミサイル2発を発射し、北朝鮮は「偵察衛星の開発のための最終段階の重要実験」だったと発表していました。
北朝鮮めぐる最近の動きは
北朝鮮に対する抑止力の強化を進める米韓両国に対して、北朝鮮は過去にない頻度で、弾道ミサイルなどを相次いで発射してきました。
特に、11月18日にはICBM級の1発を発射して「火星17型」の発射実験に成功したと発表し「世界最強の戦略兵器としての威力ある性能が検証された」と成果を誇示しました。
また、今月15日にキム・ジョンウン(金正恩)総書記の立ち会いのもと、大出力の固体燃料エンジンの燃焼実験に成功したと、その翌日、16日に発表し、韓国の専門家からはICBM級弾道ミサイル用の固体燃料エンジンの開発の一環だという見方が出ていました。
これに対し、今月、韓国に駐留するアメリカ軍は新たに宇宙軍部隊を立ち上げ、韓国軍も「宇宙作戦大隊」を創設して北朝鮮によるミサイル発射の監視や探知の強化を図っています。
また今月20日にはアメリカ軍のB52戦略爆撃機が参加して韓国空軍と共同訓練を行い、韓国国防省は、訓練はアメリカが核戦力などで同盟国を守る「拡大抑止」強化の一環だと強調しました。
特に、11月18日にはICBM級の1発を発射して「火星17型」の発射実験に成功したと発表し「世界最強の戦略兵器としての威力ある性能が検証された」と成果を誇示しました。
また、今月15日にキム・ジョンウン(金正恩)総書記の立ち会いのもと、大出力の固体燃料エンジンの燃焼実験に成功したと、その翌日、16日に発表し、韓国の専門家からはICBM級弾道ミサイル用の固体燃料エンジンの開発の一環だという見方が出ていました。
これに対し、今月、韓国に駐留するアメリカ軍は新たに宇宙軍部隊を立ち上げ、韓国軍も「宇宙作戦大隊」を創設して北朝鮮によるミサイル発射の監視や探知の強化を図っています。
また今月20日にはアメリカ軍のB52戦略爆撃機が参加して韓国空軍と共同訓練を行い、韓国国防省は、訓練はアメリカが核戦力などで同盟国を守る「拡大抑止」強化の一環だと強調しました。