新型コロナ 中国に滞在の日本人1人が死亡 官房長官明らかに

松野官房長官は記者会見で、新型コロナウイルスの感染が急拡大している中国で、現地の日本人1人が検査で陽性となったあとに死亡したことを明らかにし、日本人の保護と日本企業の活動支援に万全を期していく考えを示しました。

この中で松野官房長官は、中国に滞在していた日本人1人が、新型コロナウイルスの検査で陽性となったあとに死亡したことが確認されたと明らかにしました。

そして「所属企業を通じた家族との連絡など、必要かつできるかぎりの支援を行っていく」と述べました。

また、中国の感染状況について「鋭意情報収集しており、在留邦人を含む市民生活や日系企業の活動、それに中国経済に与える影響について注視している」と述べました。

そのうえで「在中国大使館や総領事館を通じ、在留邦人や日系企業と緊密に連絡を取り合い、引き続き具体的状況を踏まえながら、中国側とのやり取りを含め、邦人保護や日本企業の活動支援に万全を期していく」と述べました。

中国 感染対策緩和で患者急増

中国では政府が今月7日に新型コロウイルスの感染対策の緩和に踏み切ったあと、各地で患者が急増しています。

こうしたなか、日本政府は、中国に滞在していた日本人1人が感染後、死亡したと発表しました。関係者によりますと、亡くなったのは重慶在住の40代の男性駐在員で、今月19日に死亡が確認されたということです。

一方、国営の中国中央テレビは、首都 北京の医療の拠点となっている北京朝陽病院で急患の1日あたりの受け入れが以前の4倍近い、およそ400人に上っていると伝えました。ほとんどが基礎疾患のある高齢者で、せきや発熱などの症状を訴えるなどして重症化しているということです。

中国メディアによりますと、北京で患者が急増していることを受けて、湖南省から22日、呼吸器が専門の医師など162人が北京に向かったほか、山東省や福建省などからも医療従事者が応援のため、北京に派遣されているということです。

北京のある病院では、集中治療室が患者であふれているとも伝えられていて、感染の急拡大で重症患者も急増していることをうかがわせています。