プーチン大統領 “アメリカ供与のパトリオットを破壊する”

ロシアのプーチン大統領は、来年も軍事侵攻を継続する考えを改めて強調するとともに、アメリカがウクライナへの供与を表明した地対空ミサイルシステム「パトリオット」について「われわれはそれを破壊する」とけん制しました。

ロシアのプーチン大統領は22日、首都モスクワで国内メディア向けに記者会見を開き、ことし1年を総括して「理想的な状況などはない。しかし全体としてロシアは自信をもって過ごした1年だった。来年を含む将来の計画を遂行する上で、支障をきたす懸念はない」と述べました。

そのうえで「特別軍事作戦に関連することは絶対に必要な措置だと信じている。われわれの軍や兵士がロシアの利益や主権、そして国民を守っていることに感謝すべきだ」と述べ、改めて軍事侵攻を正当化し、来年も継続する考えを強調しました。

また、アメリカがウクライナへの供与を表明した地対空ミサイルシステム「パトリオット」について、「パトリオットは古いシステムで、ロシアの地対空ミサイルシステムS300のようには機能しない。このような兵器の供与は紛争を長引かせるだけだ」と批判しました。

そして「パトリオットを配備するというならやってみたらいいだろう。われわれはそれを破壊するだけだ」とけん制しました。

一方、プーチン大統領は、内政や外交の基本方針を示す年次教書演説をことしは見送ったことについて「状況が劇的に動いていた。来年の早い時期に必ず実行する」と釈明しました。

ロシア大統領府は、プーチン大統領が毎年、年末に行ってきた海外のメディアも参加する大規模な記者会見について、ことしは見送ると発表していて、ロシア国内でえん戦気分も漂う中、大統領府が会見の実施に神経をとがらせているという見方も出ています。