【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(23日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる23日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ロシアの攻撃続くなか ウクライナのクリスマス

ウクライナでは、ロシアによる攻撃が続くなか、少しでもクリスマスシーズンを楽しんでもらおうと、祝賀の雰囲気を抑える形で各地で催しなどが開かれています。

ウクライナでは、毎年12月19日はサンタクロースのモデルになったと言われる聖人が空から降りてくると言われる「聖ミコライの日」で、首都キーウ近郊のイルピンでは19日、この聖人にふんした大人たちが子どもたちにプレゼントを配る年末恒例の行事が行われました。

イルピン中心部の広場では、白い口ひげをたくわえ青い衣装を着た地元の学生ボランティアが集まったおよそ20人の子どもたちひとりひとりとことばを交わしたあとお菓子を手渡していました。

イベントを主催した女性は「子どもたちを少しでも元気づけようと思い企画しました。ロシアは私たちの命もクリスマスも奪うことはできません」と話していました。

また首都キーウでは19日から中心部の広場で巨大なクリスマスツリーの点灯が始まりました。

ことしのツリーの高さは12メートルと例年の半分以下で点灯時間も短くなっているということですが、午後5時前にウクライナの国旗の色と同じ青と黄色のイルミネーションが点灯すると、集まった市民から歓声があがっていました。

広場を訪れていた10代の女性は「これは私たちの『不屈』の象徴です。停電や断水があっても私たちは負けません」と話していました。

夫と1歳の息子と訪れていた20代の女性は「家族で一緒にいられるこのすべての瞬間を大切にしたいです。子どもが爆発の音で目覚めることのないような平和な国になることが私の一番の願いです」と話していました。

英BBC ゼレンスキー大統領の訪米経路を報じる

イギリスの公共放送BBCは、ウクライナのゼレンスキー大統領がアメリカを訪問した際にたどった詳しい経路などについて報じました。

それによりますと、ゼレンスキー大統領はウクライナ東部の前線を訪問したあと、夜行列車で国境を越え、隣国ポーランドの都市ジェシュフに到着しました。
その後、アメリカ空軍の航空機でジェシュフの空港を出発し、F15戦闘機などに護衛されながらアメリカの首都ワシントンに向かったということです。

また、飛行ルートにあたる北海では、ロシアの潜水艦が活動していることから、ゼレンスキー大統領を乗せた航空機が上空を通過する際はNATO=北大西洋条約機構の偵察機が周辺を詳しく調べたとしています。

BBCは「ゼレンスキー大統領をアメリカの首都に連れて行くために取られた異例の対応は、アメリカとウクライナが双方の関係性をいかに重視しているかを示している」としています。

プーチン大統領「全体としてロシアは自信をもって過ごした」

ロシアのプーチン大統領は22日、首都モスクワで国内メディア向けに記者会見を開き、ことし1年を総括して「理想的な状況などはない。しかし全体としてロシアは自信をもって過ごした1年だった。来年を含む将来の計画を遂行する上で、支障をきたす懸念はない」と述べました。

そのうえで「特別軍事作戦に関連することは絶対に必要な措置だと信じている。われわれの軍や兵士がロシアの利益や主権、そして国民を守っていることに感謝すべきだ」と述べ、改めて軍事侵攻を正当化し、来年も継続する考えを強調しました。

プーチン大統領 パトリオット「配備するならやってみたらいい」

プーチン大統領はアメリカがウクライナへの供与を表明した地対空ミサイルシステム「パトリオット」について、「パトリオットは古いシステムで、ロシアの地対空ミサイルシステムS300のようには機能しない。このような兵器の供与は紛争を長引かせるだけだ」と批判しました。

そして「パトリオットを配備するというならやってみたらいいだろう。われわれはそれを破壊するだけだ」とけん制しました。

一方、プーチン大統領は、内政や外交の基本方針を示す年次教書演説をことしは見送ったことについて「状況が劇的に動いていた。来年の早い時期に必ず実行する」と釈明しました。

ロシア大統領府は、プーチン大統領が毎年、年末に行ってきた海外のメディアも参加する大規模な記者会見について、ことしは見送ると発表していて、ロシア国内でえん戦気分も漂う中、大統領府が会見の実施に神経をとがらせているという見方も出ています。

北欧2か国のNATO加盟についてトルコ外相「時間かかる」

北欧のスウェーデンとフィンランドのNATO=北大西洋条約機構への加盟をめぐっては、全加盟国の承認が必要とされ、承認に条件を付けているトルコの動向が焦点となっています。トルコの外相は、加盟の承認には時間がかかるという認識を示し、両国の加盟は来年に持ち越される見通しです。

ロシアによるウクライナ侵攻を受け、スウェーデンとフィンランドはことし5月にNATO加盟を申請しましたが、実現には30の加盟国すべての承認が必要とされています。

しかし加盟国のうちトルコは分離独立を掲げるクルド人武装組織のメンバーなどを両国が支援していると主張し、テロ対策を講じるなどの条件を付けています。

トルコのチャウシュオール外相は22日、首都アンカラでスウェーデンのビルストロム外相と会談し、共同会見で「まだ初期の段階だ。納得できるレベルではない」と述べ、加盟の承認には時間がかかるという認識を示しました。

そしてトルコ側がテロ容疑者だとするトルコ人ジャーナリストの身柄の引き渡しを今月、スウェーデンの裁判所が拒否したことについて「相当な影響を及ぼしている」と述べ、けん制しました。

これに対してビルストロム外相は「トルコとともにテロ対策に力を入れてきた。具体的な措置も講じている」と理解を求めました。

双方は協議を続けることにしていて、北欧2か国の加盟は来年に持ち越される見通しです。

北朝鮮 ロシアへ兵器供給 “事実無根”

北朝鮮が先月ロシアに兵器を輸送したと指摘されていることをめぐり、北朝鮮外務省の報道官は、22日、国営の朝鮮中央通信に対し「ありもしないロシアとの『兵器の取り引き』の問題に対するわれわれの原則的な立場は、常に変わらない」と改めて否定しました。

北朝鮮は、軍事侵攻を続けるロシアを支持する一方、アメリカに対しては、ロシアに安全保障上の脅威を与えていると非難しています。

北朝鮮外務省の報道官は「国際社会は事実無根の『兵器取り引き説』に耳を傾けるより、殺人兵器を送り、ウクライナを破壊するアメリカの犯罪行為に焦点を集中すべきだ」とアメリカを一方的に批判しました。

“北朝鮮がワグネルに兵器提供” 米が非難

アメリカ・ホワイトハウスのカービー戦略広報調整官は22日、記者団に対し、北朝鮮がロシアの民間軍事会社ワグネルに兵器を提供していると非難しました。

カービー調整官は「ワグネルは、ウクライナで軍事作戦を続けるため、兵器の供給元を世界中で探している。私たちは、北朝鮮がワグネルに兵器を届けたことを確認した」と述べ、これらの兵器はウクライナで使われるとの見方を示しました。

ワグネルが購入した兵器は具体的には歩兵用のロケット弾やミサイルで、先月、北朝鮮がロシアに輸送したとしています。

カービー調整官は、現時点で、戦況を大きく変える規模ではないとしながらも兵器の輸出を禁止している国連安保理決議に違反しているとして、北朝鮮に対してただちに兵器の取り引きをやめるよう警告しました。

また、ワグネルが元受刑者4万人を含む5万人の兵士をウクライナに派遣していると非難しました。

松野官房長官「安保理決議の完全な履行へ国際社会と緊密に連携」

松野官房長官は、23日の閣議のあとの記者会見で「取り引きが行われているとすれば、北朝鮮からの武器と関連物資の調達を全面的に禁止している国連安保理決議に違反する。わが国としては、引き続き関連情報の収集・分析を行うとともに、安保理決議の完全な履行に向けて国際社会と緊密に連携していきたい」と述べました。

ロシア軍参謀総長「ドネツク州の解放完了に集中」

ロシア軍制服組トップのゲラシモフ参謀総長は22日、各国大使館の駐在武官を集めた説明会で「前線の情勢は安定している。ロシア軍は東部ドネツク州の解放を完了させることに集中している」と述べました。

ドネツク州では、ウクライナ側の拠点のひとつバフムトをめぐりロシア軍とウクライナ軍の激しい攻防が続いています。

また「精密誘導ミサイルで1300以上の重要目標を破壊したことで、ウクライナ軍の戦闘能力を著しく低下させ、軍需産業の活動をまひさせた」と主張し、インフラ施設を標的にしたミサイル攻撃を今後も続ける考えを示しました。

一方、ロシア軍が中国軍と行っている合同演習については「アジア太平洋地域での、アメリカの侵略的な軍事力強化に対する当然の対応だ」と述べ、戦略的パートナーと位置づける中国と協力し、アメリカに対抗していく姿勢を強調しました。

ゼレンスキー大統領 ポーランドの大統領と会談

アメリカ訪問を終えたウクライナのゼレンスキー大統領は22日、帰国の途中に隣国ポーランドの地方都市でドゥダ大統領と直接会談しました。

ロシアによる軍事侵攻が始まって以来、ポーランドはヨーロッパ各国の中でも積極的にウクライナを支持してきたことで知られ、2人の大統領は力強く抱擁を交わしていました。
会談では、ゼレンスキー大統領のアメリカ訪問について情報を共有したほか、軍事侵攻が始まったことし1年を総括し、来年の戦略的な展望について意見を交わしたということです。

UNHCR=国連難民高等弁務官事務所のまとめによりますと、軍事侵攻を受けてウクライナからポーランドに移動した人の数は今月20日時点でのべ830万人を超え、周辺国の中でもっとも多く、ポーランド政府は避難者の支援に力を入れてきました。

G7外相会合 ウクライナへの越冬支援 継続の方針を確認

ウクライナ情勢をめぐるG7=主要7か国の外相会合がオンライン形式で開かれ、ウクライナに対する越冬支援を継続する方針を確認しました。また、林外務大臣は来年の議長国として力による一方的な現状変更は認めないとする強い意志を示したいと強調しました。

ウクライナ情勢をめぐるG7の外相会合はことし11回目で、林外務大臣も出席して日本時間の22日夜、およそ1時間行われました。

会合では、ロシアが発電所などの民間施設への攻撃を激化させているとして非難したうえで、さらなる越冬支援を含め、ウクライナに対する必要な支援を継続する方針を確認しました。

また、林大臣は日本政府が先に外交・安全保障の指針である国家安全保障戦略を決定したことを説明し、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持するための外交努力を続けていく考えを示しました。

そして、ロシアによる侵攻が長期化する中、G7の緊密な連携を強化していくことが重要だとして来年の議長国として力による一方的な現状変更は認めないとするG7の強い意志を示したいと強調しました。

IAEA事務局長 ザポリージャ原発めぐりモスクワで会談

IAEA=国際原子力機関のグロッシ事務局長は22日、ロシアの首都モスクワを訪れ、国営の原子力企業ロスアトムのトップなどと会談しました。

そして、焦点となっているロシア軍が占拠するウクライナのザポリージャ原子力発電所の安全の確保に向けた協議を行いましたが、結論は出ませんでした。

グロッシ事務局長はみずからのツイッターに「重要な話し合いだった」と投稿し、協議を続ける方針を示しました。

またロスアトムも声明を発表し、協議は継続されると説明しています。

一方、ロシア軍制服組トップのゲラシモフ参謀総長は22日「ザポリージャ原発の安全はロシア軍の活動によってしか守ることができない」と述べ、今後も占拠を続ける姿勢を改めて強調しました。

ザポリージャ原発は、砲撃によって外部からの電力の供給がたびたび失われ、IAEAは対策として原発周辺を安全な区域に設定する方針を示しています。

EUもウクライナと首脳会談の意向

EU=ヨーロッパ連合の高官によりますと、EUも来年2月にウクライナとの首脳会談を開きたいとして、ゼレンスキー大統領をEU本部のあるベルギーの首都ブリュッセルに招待したということです。

首脳会談にEU側からはミシェル大統領とフォンデアライエン委員長が出席する予定で、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まってから1年になるのを前にウクライナへの支援継続などについて協議するものとみられます。