プーチン大統領 新型ICBMなど実戦配備へ 核戦力で米けん制か

ロシアのプーチン大統領は、複数の核弾頭を搭載できる新型のICBM=大陸間弾道ミサイルや海上発射型の極超音速ミサイルを近く実戦配備する考えを明らかにしました。

核戦力をちらつかせることでウクライナへの軍事支援を続けるアメリカなどをけん制するねらいがあるものとみられます。

ロシアのプーチン大統領は21日、首都モスクワで開かれた国防省の会合で演説し「われわれは戦略核の戦闘態勢を維持し、向上させていく。これがわが国の主権や領土の保全、それに世界における力の均衡を維持するための保証となる」と述べ、核戦力の向上を進めていることを強調しました。

そのうえで「近い将来、大陸間弾道ミサイルの『サルマト』が初めて実戦配備される」と述べ複数の核弾頭を搭載できる、新型のICBM=大陸間弾道ミサイルを近く実戦配備する考えを明らかにしました。

また、来月上旬には、海上発射型の極超音速ミサイル「ツィルコン」をフリゲート艦に搭載して実戦配備することも表明しました。

プーチン大統領としては、核戦力をちらつかせることでウクライナへの軍事支援を続けるアメリカなどNATO=北大西洋条約機構の加盟国をけん制するねらいがあるものとみられます。

さらに、プーチン大統領は、ウクライナへの軍事侵攻をめぐり「無人機の改良と活用が喫緊の課題だ」と述べ、最新の無人機を各部隊に配備すべきだとして国防省に対応を指示しました。

このあと報告を行ったショイグ国防相は「来年の優先課題は特別軍事作戦を任務完了まで継続することだ」と述べ、軍事侵攻の継続をロシア軍の最優先課題に置くとともに「任務遂行のため」だとして、兵士の総数を150万人に増やす必要があると主張しました。

プーチン大統領は、ことし8月に兵士の総数を増やしておよそ115万人にすることを決めていて、独立系メディアは「さらに35万人が軍に招集されることになる」と伝えています。