ウクライナ語ツイッター発信を分析「薬」「医療機関」が急増

ロシアによるウクライナ侵攻が続く中、東北大学の研究グループは、ウクライナ語でツイッターに発信された内容を分析した結果、「薬」や「医療機関」ということばが急増したことが確認されたうえ、長期化に伴って「心の健康」に関わる表現も増加していることが分かったと発表しました。

研究グループは、国際的な支援が一層、必要になっているとしています。

東北大学災害科学国際研究所の研究グループは、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まる前の去年11月1日からことし8月10日の間に、ウクライナ語でツイッターに発信された9850万件以上を分析し、20日、発表しました。

それによりますと、「薬」や「医療機関」ということばが侵攻直後に急増し、中でも「糖尿病の薬」と書き込んだ投稿が43倍に増えたことが分かったということです。

持病の治療を続けられるか、不安を感じる人が増えたと見られるとしています。

また、侵攻直後は「出産」や「新生児」といったことばを含む投稿も増加し、妊婦や医療従事者が安全に出産できる場所などを求めていたのではないかと分析しています。

さらに侵攻の長期化に伴って、心理的苦痛や不安の兆候を示す「絶望」ということばなど、「心の健康」に関わる表現も1.5倍ほど増加していて、うつ病やPTSD=心的外傷後ストレス障害の症状を訴える人がさらに増えないか、注視する必要があると指摘しています。

分析結果を記者会見で明らかにした東北大学災害科学国際研究所の藤井進准教授は、ウクライナに対する多角的で国際的な支援が一層、必要になっているとしたうえで、「現地の状況をこうした形で可視化したことで、具体的な次の行動につながるきっかけになってほしい」と話していました。