日本学術会議の在り方 政府が見直しの概要説明 会長は強い懸念
日本学術会議の総会が開かれ、政府の担当者が、組織の透明性を高めるため、会員の選考などに意見を述べる第三者委員会を設置することなどを盛り込んだ法律の改正案の概要を説明しました。
日本学術会議は21日、総会を開き、所管する内閣府の担当者が、学術会議の組織の在り方を見直すため、来年の通常国会への提出を目指す関連法の改正案の概要を説明しました。
それによりますと組織の透明性を高めるため、職務を遂行するにあたって行政や産業界などと十分な意思疎通を図ることや、会員の選考などに意見を述べる第三者委員会を設けること、それに会員の選考にあたって第三者が候補者を推薦する仕組みを導入するなどとしています。
また改正案の施行後、3年と6年を節目に改革の進捗を検証し、必要があれば国から独立した組織とすることも含め、再検討するとしています。
これに対し学術会議は政府に再考を求める声明をとりまとめ、第三者委員会による会員選考への関与は、当時の菅総理大臣が6人の会員候補を任命しなかったことの正統化につながりかねないなどとして、「学術会議の独立性に照らしても疑義がある」などと指摘しました。

総会のあとの会見で日本学術会議の梶田隆章会長は「今回示された政府の改正案は、70年以上の歴史を持つ学術会議の性格を変えかねない」と述べ、強い懸念を示しました。