
保育士暴行事件 裾野市が9月にトラブル把握も虐待と認識できず
静岡県裾野市の保育園で、元保育士3人が園児への暴行の疑いで逮捕された事件をめぐり、村田悠市長はことし9月の時点で、元保育士の1人が園から受けた処分をめぐって園とトラブルになっていることを把握していたと明らかにしました。虐待が疑われる事案が確認されたことについては報告されなかったということで、市長は「この時点では虐待と認識できなかった」と釈明しました。
裾野市の認可保育園「さくら保育園」で、元保育士3人が園児への暴行の疑いで逮捕された事件をめぐり、市の担当部局がことし8月下旬に悪質な行為について把握していた一方、村田市長は先月28日の時点で初めて報告を受けたと説明していました。
村田市長は21日の会見で、逮捕された元保育士の1人がこの問題で園から受けた処分をめぐって不服を申し立て、園とトラブルになっていることについて、後援会の関係者を通じてことし9月20日の時点で把握していたことを明らかにしました。
村田市長は「保育士が市の指導で不当解雇されたという話を聞いたので、担当部局に問い合わせて市の指導ではないことを確認した。その1点しか聞いておらず、あくまで人事案件だと思って対応した」と説明しました。
その際、園で虐待が疑われる事案が確認されたことについては、担当部局から市長に報告されなかったということです。
これについて石井敦健康福祉部長は「正確な内容が把握できていなかったので、市長に報告できないと考えていた」と述べました。
村田市長は「この時点では虐待と認識することはできなかった。担当部局に隠蔽の意図はなかったが、そのように取られてもしかたない対応で、配慮が足りなかったと考えている」と釈明しました。