【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(21日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる21日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

プーチン大統領 核弾頭搭載可能の新型ICBM 近く実戦配備へ

ロシアのプーチン大統領は21日、国防省で開かれた会合で演説し「近い将来、大陸間弾道ミサイルの『サルマト』が初めて実戦配備される」と述べ、複数の核弾頭を搭載できる新型のICBM=大陸間弾道ミサイルを近く実戦配備する考えを明らかにしました。

ウクライナへの軍事支援を続けるアメリカやNATO=北大西洋条約機構をけん制するねらいがあるものとみられます。

ロシア 米によるウクライナへの兵器供与 改めてけん制

ウクライナのゼレンスキー大統領がアメリカを訪問し、アメリカ側が新たな軍事支援を発表するとしていることに関連して、ロシア大統領府のペスコフ報道官は21日、「これまで兵器の供与が続いていて、供与される兵器の種類も増えている。こうしたことは紛争の深刻化につながり、ウクライナにとって何もいいことが見込めない」と述べ、兵器の供与を改めてけん制しました。

また、ゼレンスキー大統領が訪米後に停戦交渉への姿勢を変えるかどうかについてペスコフ報道官は「それは期待できない」と答え、ウクライナ側の交渉姿勢は変わらないという見通しを示しました。

ゼレンスキー大統領「アメリカに向かっている」

ウクライナのゼレンスキー大統領は日本時間の21日午後3時ごろ、みずからのツイッターに「ウクライナの防衛力の強化のためにアメリカに向かっている。バイデン大統領とウクライナとアメリカの協力について協議する。また、連邦議会で演説し多くの会談も行う」と投稿し、アメリカで首脳会談を行うことを明らかにしました。

専門家「パトリオット供与 ロシアが反発強める可能性」

アメリカがウクライナに供与する地上配備型の迎撃ミサイル「パトリオット」について、防衛省防衛研究所の兵頭慎治 政策研究部長は「アメリカが保有する最も有効な最新鋭の防空システムで、高い迎撃能力がある」と評価しています。

一方で「ウクライナ側がこれを使用するのに何か月も訓練が必要なため、実際に運用されるまで一定の時間がかかる。また、あくまで防空能力を高める兵器で、激しい戦闘が続くウクライナの南部や東部の戦況に直接的影響を与えるものではない」と分析しました。

今回の供与の目的についてアメリカは、ウクライナの発電所など民間のインフラに対してロシア軍の攻撃が続いていることから、ウクライナの防空能力を強化する必要があるとしています。

これについて兵頭氏は「アメリカからすると、攻撃用ではなく防衛用の兵器だから、それほど大きな問題はないという認識だと思う。しかし日本やドイツといった同盟国に供与するものと同じレベルの兵器を供与することに対して、ロシアが政治的にも軍事的にも大きな意味があると受け止め、反発を強める可能性がある」と指摘しました。

ゼレンスキー大統領 ワシントン訪問 首脳会談へ

アメリカのホワイトハウスは、ウクライナのゼレンスキー大統領が21日、首都ワシントンを訪問し、バイデン大統領と首脳会談を行うと発表しました。

首脳会談は日本時間の22日午前4時半から行われ、バイデン政権の高官によりますとバイデン大統領は会談でロシア軍による発電所などのインフラへの攻撃が続くウクライナの防空能力を強化するため、迎撃ミサイル「パトリオット」の供与を含むおよそ20億ドルの新たな軍事支援を発表するということです。

また首脳会談後、ゼレンスキー大統領は連邦議会の上下両院の議員を前に演説を行うということです。今回の訪米や首脳会談についてバイデン政権の高官は「プーチン大統領と世界に対しアメリカは必要なかぎりウクライナを支え続けるというメッセージを送るものだ」と強調しています。

ウクライナ政府関係者によりますと、ことし2月にロシアによる軍事侵攻が始まって以降、ゼレンスキー大統領が外国を訪れるのは初めてです。ゼレンスキー大統領の滞在は短時間にとどまるとみられ、一連の日程を終えてすぐにウクライナに帰国するということです。

ゼレンスキー大統領 今週ワシントン訪問か 米複数メディア

アメリカの複数のメディアは、ウクライナのゼレンスキー大統領が今週、アメリカの首都ワシントンを訪問する見通しだと伝えました。

このうちニュースサイト「アクシオス」は、ゼレンスキー大統領が連邦議会の上下両院の議員を前にアメリカが行っている巨額の軍事支援などに感謝の意を示すとともに、さらなる支援の必要性を訴えるとしています。またペロシ下院議長は20日、「民主主義に光を当てるためだ」として、議員などに対して21日に議会に直接来るよう呼びかける文書を出しています。

ロシア法務省 人権団体の解散を申し立て

ロシア法務省は20日までに人権団体「モスクワ・ヘルシンキ・グループ」を解散させるよう首都モスクワの裁判所に申し立てました。

「モスクワ・ヘルシンキ・グループ」は、旧ソビエト時代の1976年にノーベル平和賞受賞者のサハロフ博士などが立ち上げたロシアで活動する最も古い人権団体といわれ、メンバーが逮捕されるなどの圧力を受けながらも人権侵害の状況を訴える活動を続けてきました。

法務省は申し立ての理由を明らかにしていませんが、団体の代表はロイター通信に対し、「われわれの規約がモスクワ以外での活動を禁止しているとして当局はばかげた申し立てをした。意図的に人権団体を破壊しようとしている」と強く反発しています。

ロシアの人権団体をめぐっては、旧ソビエトの政治弾圧の記録などに取り組みことしのノーベル平和賞を受賞した「メモリアル」も去年12月にロシアの最高裁判所から解散を命じられていて、プーチン政権のもとで政権に批判的な人権団体への圧力が強まっています。

ゼレンスキー大統領 バフムトで兵士を激励

ウクライナ大統領府は20日、ゼレンスキー大統領が東部のドンバス地域のウクライナ側の拠点の1つ、ドネツク州のバフムトに入り、兵士を激励したと明らかにしました。

大統領府によりますと、ゼレンスキー大統領は兵士に勲章を渡したほか、部隊の司令官から作戦や後方支援などの状況について報告を受けたということです。

動画ではゼレンスキー大統領が兵士を前に演説し、「ここにいない人たちにも感謝したい。そして亡くなった英雄に敬意を表して黙とうしたい」と述べ、兵士とともに黙とうをしました。
その上で「ロシアが通った場所の残骸をわれわれは見ている。生存者はいない。ここドンバスでウクライナ全体を守らなければならない。なぜならドンバスの後にロシアはほかの都市でも同じことをするからだ。ドンバスだけでなく、ウクライナ全体の保護はあなた方にかかっている」と激励しました。

ゼレンスキー大統領は前日19日に公開した動画でバフムトについて「前線の中で戦闘が最も激しい場所だ」としていて、激戦地にみずから入ることで兵士を鼓舞する狙いがあるとみられます。

プーチン大統領 併合に踏み切った4州 「困難な状況だ」

ロシアのプーチン大統領は20日、治安関係者に向けた動画の声明を出し、ドンバス地域を含めロシアが一方的な併合に踏み切ったウクライナ東部と南部の4つの州について「今は非常に困難な状況だ」と述べました。

プーチン大統領は今月9日、ロシアの記者団に「軍事作戦は順調で問題はない」と述べていましたが、厳しい戦況になっていることを認めたかたちです。

ロシアの国営テレビは20日、4つの州でロシア側が一方的に地域のトップに任命した4人が首都モスクワに招かれてプーチン大統領から直接勲章を授与される様子を伝えていて、プーチン政権としては劣勢の状況で現地から不満が出るのを抑えたいねらいがあるものとみられます。
ロシア大統領府は、21日に国防省が拡大会議を開くと発表した上で「ショイグ国防相がこれまでの軍事作戦を総括するとともに来年の課題を設定する」としていて、その発言が注目されます。