北朝鮮 日本の「反撃能力」保有に反発 軍事的な挑発も示唆

北朝鮮は、日本政府が先週決定した「国家安全保障戦略」などで敵のミサイル発射基地などをたたく「反撃能力」の保有が明記されたことに反発する談話を発表し、「わが国がどれほど不快であるかを、実際の行動で示し続ける」と日本をけん制しました。

日本政府は今月16日、「国家安全保障戦略」など3つの文書を決定し、敵の弾道ミサイル攻撃に対処するため、発射基地などをたたく「反撃能力」の保有が明記されました。

これについて、北朝鮮外務省の報道官は20日談話を発表し、「日本の『反撃能力』は、ほかの国の領域を攻撃するための先制攻撃能力だ。朝鮮半島と東アジアに重大な安保危機をもたらしている」などと強く反発しました。

また、北朝鮮の核・ミサイル開発をめぐり、「わが国は、日本の否定的な行動により地域の安全をめぐる環境が複雑になることに備えて、軍事的措置を断行する権利を有することをはっきりさせておく」とも強調していて、日本の安全保障政策を理由に、軍事的な挑発を正当化するねらいがあるとみられます。

そのうえで談話では、「日本の不当な試みに対してわが国がどれほど不快であるかを、実際の行動で示し続ける」としてさらなる挑発も示唆し、日本をけん制しました。

キム・ヨジョン氏 ICBM開発 韓国側の見方に反発

北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)総書記の妹、キム・ヨジョン(金与正)氏は20日、談話を発表しました。

北朝鮮のICBM=大陸間弾道ミサイルの開発について、韓国側から、これまで北朝鮮は通常より角度をつけて高く打ち上げる「ロフテッド軌道」で発射していて通常の角度で発射していないとして、大気圏への再突入など技術的に課題があるとの見方が出ています。

これに対してヨジョン氏は、通常の角度での発射について、「やればできるし、見ればわかることだ」と主張し、韓国側の見方に反発しました。

一方、18日に行ったとする「偵察衛星の開発のための最終段階の重要実験」をめぐって、韓国側から「長距離ミサイルの技術を完成させるためだ」という指摘が出ていること対しても、「人工衛星に偽装しない」と反論しました。

松野官房長官「警戒と監視に全力を挙げる」

松野官房長官は午後の記者会見で「北朝鮮が前例のない頻度と態様で弾道ミサイル発射を繰り返していることは、わが国の安全保障にとって重大かつ差し迫った脅威であるとともに、地域や国際社会全体の平和と安全を脅かすものであり断じて容認できない」と述べました。

そのうえで「政府としては引き続き、必要な情報の収集や分析、警戒と監視に全力を挙げるとともに、北朝鮮の完全な非核化に向け、日米、日米韓で緊密に連携していく」と述べました。