対策緩和後に感染拡大の中国 地方政府では職場復帰促す動き

中国では、新型コロナウイルスの感染対策の緩和後、各地で感染が拡大していますが、地方政府の間では、職場復帰を促す動きが出ています。経済活動の正常化を急ぎたいねらいとみられますが、人々の間で感染拡大への不安が残る中、こうした動きがどこまで進むかが焦点です。

中国では、今月7日に新型コロナウイルスの感染対策が緩和されたあと、首都・北京などを中心に各地で感染が拡大しています。

こうした中、北京市政府は「職場に戻って生産を再開させる」という意味の“復工復産”というスローガンを掲げ、地区をまたぐ通勤や出勤者の数に対する制限を撤廃したなどと強調しています。

また、内陸部・重慶の市政府は18日、無症状や軽症であれば、政府機関や企業の幹部や従業員などは感染対策を行ったうえで出勤してもよいとする通知を出し、経済活動の正常化を急ぎたいねらいとみられます。

ただ、北京の繁華街では、いくぶん回復傾向にはあるものの依然として人通りは少なく、市民が外出を避ける傾向が続いていることがうかがえます。

中国政府は18日、北京で感染者2人が死亡したと発表しました。

感染者が死亡したという発表はおよそ2週間ぶりですが、台湾や香港のメディアは感染後に亡くなる人が相次いでいるとも伝えています。

人々の間で感染拡大への不安が残る中、職場復帰などの動きがどこまで進むかが焦点です。

北京市内の人たちは

北京市政府が人々に職場復帰を促すなか、市内で働く会社員の女性は「きょうは出勤しましたが、仕事がないので家に帰ります」と話し、職場復帰の動きはまだ広がりを見せていないとしたうえで、「感染のピークを越えれば、状況は良くなると思います」と期待感を示していました。

また、すでに感染して回復したという70代の男性は、高齢で抵抗力が弱まっているとして、感染が拡大している状況について不安だとしながらも「すでに新型コロナウイルスと共存している状況なのでしかたありません」と話していました。