中国 医学生が死亡 「コロナ陽性の疑いも働かされた」との見方

中国で新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、内陸部 四川省の病院で臨床実習を受けていた学生が死亡しました。病院側は心疾患が原因だとしていますが、インターネット上では学生は人手不足の中、陽性の疑いがあったにもかかわらず、働かされていたなどとして批判の声が高まっています。

中国では今月7日に新型コロナウイルスの感染対策が緩和されたあと、各地で感染が拡大していて医療体制がひっ迫しています。

このうち四川省 成都の病院では13日、臨床実習を受けていた23歳の男子学生が突然倒れ、翌日死亡しました。

病院側は心疾患が原因だとしていますが、地元メディアは人手不足の中、学生は発熱が続き陽性の疑いがあったにもかかわらず働かされていたとする見方を伝えています。

中国版ツイッター「ウェイボー」には「彼は学生であって医師ではない」とか「病院や学校は学生の労働環境を守る責任がある」などと病院側の対応を批判する声が高まっています。

香港メディアによりますと江蘇省・南京でおよそ100人の学生が医師と同じ水準の待遇を求めるなど、実習中の学生による抗議活動が各地で起きているということです。

中国政府は感染対策の緩和以降、死者の人数を「ゼロ」と発表し続けていますが、実際には感染後に亡くなる人が相次いでいる可能性も指摘され、医療現場では混乱が広がっています。