ロシア 来年の早い時期に大規模攻撃か 大統領ベラルーシ訪問へ

ウクライナ軍は、ロシア軍が来年の早い時期に大規模な攻撃を仕掛ける可能性があるとして警戒を強めています。こうした中、ロシアのプーチン大統領は来週、同盟関係にあるベラルーシを訪問する予定で、軍事的な圧力を強め揺さぶりをかける思惑とみられます。

ウクライナの首都キーウでは16日、クリチコ市長が市内の3つの地区で爆発があったと明らかにし、ロシア軍による攻撃だとして住民に避難を呼びかけています。

また、東部ハルキウ州の州知事も16日、州内のインフラ施設にロシア軍による攻撃があったと明らかにしました。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は15日、「プーチン大統領はウクライナを支配し、広範囲にわたる領土を占領するという目標に向けて、2つの軍事的な動きを同時に行っている。東部ドネツク州のバフムト周辺などへの攻撃とインフラ施設への継続的なミサイル攻撃だ」と指摘しました。

そのうえで「ウクライナ政府に譲歩を迫ることに失敗しているため第3の動きとして、この冬、新たな攻撃を行う準備をしている可能性がある」と分析しました。

ウクライナ軍のザルジニー総司令官も、来年2月など年明けの早い時期にロシア軍が大規模な攻撃を仕掛ける可能性があると指摘し、警戒を強めています。

こうした中、ロシアと同盟関係にあるベラルーシの大統領府は、ロシアのプーチン大統領が今月19日に首都ミンスクで、ルカシェンコ大統領と会談し安全保障問題などについて協議すると発表しました。

ベラルーシ領内では、地元の独立系団体が今月に入り、ロシア軍の軍用機や軍用車両が新たに到着したと伝えるなど軍事的な動きが活発化していますが、シンクタンク「戦争研究所」はベラルーシ軍がウクライナに直接、侵攻する可能性は低いと分析しています。

プーチン大統領はルカシェンコ大統領に対して、さらなる軍事的な協力を促すねらいがあるとみられ、ウクライナの首都キーウに近いベラルーシの国境側から揺さぶりをかける思惑とみられます。