提訴を受け、富山市議会の鋪田博紀議長は訴状が届いていないのでコメントできないとした上で、決議の取り消しを求める請願を行うために必要な紹介議員になってほしいという男性の依頼を断ったことについては、「議長として、全会一致で決議されたものについて尊重する立場にあることや、請願の内容について十分理解した上でないと紹介議員になることはできず、内容を十分理解できなかったので断った」などとして、旧統一教会の関係者という理由で断ったわけではないと述べました。
また、旧統一教会や関係団体と一切の関係を絶つとした富山市議会の決議については、「個人との関係を断絶するところまで求めているわけではないので、個人の信教の自由を侵害することではないと理解している」と話しました。

旧統一教会信者が富山市を提訴 “関係断つ”決議で精神的苦痛
ことし9月、富山市議会が「世界平和統一家庭連合」旧統一教会や関係団体と一切の関係を絶つ決議を可決したことについて、旧統一教会の信者が「信仰を理由にした不当な差別的扱いを受け、精神的苦痛を受けた」と主張して、富山市に対し、決議の取り消しと慰謝料などを求める訴えを裁判所に起こしました。
富山市議会はことし9月「旧統一教会および関係団体と一切の関係を断つ決議」を全会一致で可決しました。
訴えによりますと、旧統一協会の信者の男性は、富山市に対し決議の取り消しと慰謝料など350万円を求めています。
男性と弁護士は16日、富山市内で記者会見し、男性が決議の取り消しを求める請願を行うために必要な紹介議員になってほしいと複数の市議会議員に依頼したものの、決議を理由に断られたとしています。
そのうえで、請願権を侵害され、信仰と信条を理由とする不当な差別的扱いを受け、精神的苦痛を受けたと主張しています。
男性は「富山市の議会ではすべての市民に中立公平で平等であってほしい。意見する場を取り戻したい」と訴えました。
また、弁護士は「請願権は政治参加という民主主義の根本的な権利で、宗教や信条を理由に差別してはならない」と訴えました。
訴えについて富山市の藤井市長は「訴状が届いていないのでコメントできない」としています。