北朝鮮 “大出力の固体燃料エンジン 燃焼実験成功” 労働新聞

北朝鮮は、キム・ジョンウン(金正恩)総書記の立ち会いのもと、大出力の固体燃料エンジンの燃焼実験に初めて成功したと発表しました。「国防5か年計画」で挙げている固体燃料を用いたICBM=大陸間弾道ミサイルの開発と関連している可能性があります。

16日付けの北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は、北西部トンチャンリ(東倉里)にある「ソヘ(西海)衛星発射場」で15日午前、北朝鮮で初めてとなる推力140トンの大出力の固体燃料エンジンの燃焼実験が行われ、成功したと伝えました。

紙面に掲載された写真では、屋外に水平に設置されたエンジンの噴射口から炎と大量の煙が勢いよく吹き出す様子などが確認できます。
実験に立ち会ったキム・ジョンウン総書記は、去年1月に打ち出した「国防5か年計画」に言及し「戦略兵器部門における最優先の5大事業の実現に向け重大な問題を立派に解決した」と述べたうえで「最も短い期間内にもう1つの新型戦略兵器が出現することに期待を示した」としています。
北朝鮮が現在保有しているICBM級のミサイルは液体燃料を使用していますが、燃料の長期保管が困難で注入に時間がかかるなどの短所があります。

これに対し、固体燃料の場合は保管が容易で速やかに発射できるため、探知や迎撃が難しくなることから北朝鮮が開発に力を入れています。

「国防5か年計画」では固体燃料を用いたICBMの開発を掲げていて、今回の実験はそれに関連している可能性があります。

松野官房長官「必要な情報収集と分析 警戒監視に全力」

松野官房長官は、閣議のあとの記者会見で「北朝鮮は具体的な目標を掲げ、さまざまな態様で、かつてなく高い頻度でミサイル発射を繰り返し、技術と運用能力を急速に向上させている。わが国の安全に対する重大で差し迫った脅威であり、引き続きアメリカや韓国などとも緊密に連携しながら必要な情報収集と分析、警戒監視に全力をあげ、平和と安全の確保に万全を期していく」と述べました。