中国 コロナ感染対策緩和発表から1週間 社会の安定保てるか

新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、中国政府が感染対策の緩和を発表してから14日で1週間となりました。中国政府は対策緩和の徹底を指示し「ゼロコロナ」政策の大幅な転換を印象づけましたが、人々の感染への不安は根強く、社会の安定を保てるかが焦点です。

新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、中国政府は今月7日、多くの場所で提示を義務づけてきたPCR検査の陰性証明を求めないなど、感染対策の緩和に踏み切りました。

中国政府は「多くの無症状の感染者がPCR検査を受けておらず、正確に実際の数を把握できない」として、14日から無症状の感染者数について発表しないと明らかにしました。

症状のある感染者数は引き続き発表されますが、感染対策の緩和を受けてPCR検査を受ける人は減少し、政府の発表は実態を反映していないとも指摘されています。

中国政府は13日から、感染対策の柱としてきたスマートフォンの位置情報の機能を使って、利用者が訪れた地域を表示するアプリの運用も停止しています。
中国の国営メディアは、新型コロナウイルス政策を担当する孫春蘭副首相が13日、感染者が急増している首都 北京の病院などを視察し、感染対策の緩和を徹底するよう指示したと伝えました。

孫副首相はこれまで「ゼロコロナ」政策の堅持を繰り返し強調してきましたが、今回「ゼロコロナ」政策に言及しておらず、政策の大幅な転換を印象づけました。

ただ、厳しい行動制限につながると不満の声もあがっていた徹底したPCR検査や、人々の行動の追跡をやめるなど対策を緩和する一方で、感染への不安は根強く、今後、社会の安定を保てるかが焦点です。