国際

【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(14日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる14日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

NATO 多国籍部隊が演習 対ロシア姿勢明確にするねらいか

ウクライナ侵攻を受けてヨーロッパ東部での防衛態勢を強化してきたNATO=北大西洋条約機構は14日、ポーランド北東部にある基地で多国籍部隊による軍事演習を行いました。

この地域は、ロシアの飛び地カリーニングラードと、ロシアと同盟関係にあるベラルーシにもはさまれていることから、ロシア軍がこの地域を押さえると、バルト3国がNATO加盟国から分断されて孤立してしまうおそれがあり「NATOのアキレスけん」とも呼ばれています。

演習を行ったアメリカ軍の司令官は「われわれはともにいることでさらに強くなる。敵のあらゆる侵攻を想定して備えている」と述べ、NATOとしては、安全保障上の要衝で訓練を重ねることでロシアの脅威に直面する加盟国の安全保障を確実にするとともにロシアに対抗する姿勢を明確にするねらいがあるとみられます。

ウクライナのすべての原発にIAEAの専門家を常駐へ

IAEA=国際原子力機関は13日に発表した声明で、グロッシ事務局長とウクライナのシュミハリ首相が会談し、ウクライナ国内のすべての原子力発電所に、IAEAの専門家を常駐させることで合意したと明らかにしました。

IAEAはことし9月以降、ロシア軍が占拠を続けるウクライナ南部のザポリージャ原発に専門家を常駐させていますが、今後はこれに加えて▼リウネ、▼フメリニツキー、▼南ウクライナのあわせて3つの原発と、廃炉作業が続く▼チョルノービリ原発に専門家を常駐させるとしています。

本格的な冬を迎えるウクライナでは、ロシア軍がエネルギー関連施設への攻撃を繰り返し、深刻な電力不足が続いていて、グロッシ事務局長は「真冬のウクライナがかつてない規模のエネルギーインフラの問題に直面している中で、今回の合意は極めて重要だ」としています。

ウクライナ軍 南部でロシア側の拠点3か所を攻撃

一方、南部ザポリージャ州でロシア側が掌握する都市、メリトポリの市長は、市の中心部で大きな爆発があったと、13日、SNSに投稿しました。

ウクライナの通信社によりますとウクライナ軍は今月10日から11日にかけて、メリトポリやその周辺にあるロシア側の拠点3か所を攻撃したということです。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は13日「過去数日間、ウクライナ軍はメリトポリ近郊のロシア軍の軍事施設に対する攻撃を増やし、メリトポリの橋も破壊したとみられる」と指摘していて、ロシア軍の補給路となっている橋に打撃を与えるなど、ウクライナ軍は南部で反転攻勢を強めているもようです。

キーウ中心部で爆発 無人機による攻撃か

ウクライナの首都キーウのクリチコ市長は、現地時間14日午前6時40分ごろ、日本時間午後1時40分ごろ、キーウ中心部で爆発があったと発表しました。

NHKの取材班がいるキーウ市内のホテルでも午前6時半ごろ、複数の爆発音が聞こえました。

市の当局は「防空システムが作動し、あわせて13の無人機を撃墜した」としていて、ロシア軍の無人機による攻撃だという見方を示しています。

当局は無人機を撃墜した際の残骸が落下するなどして、市内のあわせて5つの建物が被害を受けたとしています。

また、けが人の情報は入っていないということです。

また、ウクライナのゼレンスキー大統領は14日、SNSで動画を公開し「テロリストはけさ、13機のイラン製の無人機で攻撃を始めた。

すべてがウクライナの防空システムによって撃ち落とされた。

わが国の防空システムを誇りに思う」と述べました。現地では午前6時前、日本時間午後1時前から首都キーウなどにおよそ3時間にわたって防空警報が出されていました。

岸田首相 越冬支援を進める考え駐日大使に伝える

岸田総理大臣は、ウクライナのコルスンスキー駐日大使やウクライナの支援活動を続ける超党派の議員連盟のメンバーらと14日、総理大臣官邸で面会しました。

この中では、ロシアの軍事侵攻により、ウクライナが国内の発電施設が十分稼働できない中で厳しい冬を迎えていることを踏まえ、議員連盟のメンバーらから、コルスンスキー大使に、ディーゼル発電機4台を寄贈することが伝えられ、目録が手渡されました。

発電機は、15日、ウクライナに向けて発送される予定だということです。

これを受けて岸田総理大臣は「オールジャパンでウクライナ支援を行うため、この取り組みを後押ししていく」と述べ、政府としてさらなる越冬支援を進めていく考えを伝えました。

発電機寄贈の発起人の上川・元法務大臣は、面会のあと記者団に対し「1日も早くウクライナに笑顔と平和が戻るように、祈りを込めて届けた」と述べました。

英国防省「ロシア軍が掌握の領土の54%解放」

ウクライナの戦況を巡りイギリス国防省は「2月以降、ロシア軍が掌握した領土のうちウクライナ軍はおよそ54%を解放した」と指摘しました。

その上で国際的に承認されたウクライナの領土のおよそ18%が、いまもロシア側の支配下に置かれていると非難しました。

メリトポリ市長「市の中心部で大きな爆発」

ウクライナ南部のザポリージャ州でロシア側が掌握する都市メリトポリの市長は、市の中心部で大きな爆発があったと、13日SNSに投稿しました。

ロシア側は周辺の道路を封鎖したものの、銃撃戦となり、ロシア側に死者が出たとみられるということです。

またウクライナの通信社によりますと、ウクライナ軍は今月10日から11日にかけてメリトポリやその周辺にあるロシア側の拠点3か所を攻撃したということで、南部の領土のさらなる奪還に向け反転攻勢を強めているとみられます。

ロシア軍のミサイル攻撃 今後も続くか

ウクライナ側は冬の間もさらに反撃を強めたい考えとみられますが、ロシア軍が繰り返すエネルギー関連施設へのミサイル攻撃で、ウクライナでは市民生活がひっ迫しています。

東部ドネツク州の親ロシア派の指導者、プシリン氏は13日「エネルギー施設への攻撃はウクライナ軍の敗北が確実に近づく状況を作りだしている」と述べ、ロシア軍のミサイル攻撃は今後も続くとみられます。

ウクライナ支援の国際会議 越冬支援に10億ユーロ拠出表明

ウクライナの市民が無事に冬を越すための支援策を話し合う国際会議がフランスで開かれ、参加国は日本円で1400億円余りにのぼる追加支援を表明しました。

フランス政府が呼びかけ、13日パリで開かれた会議には、欧米や日本など40か国以上の代表のほか、ウクライナからシュミハリ首相なども参加しました。

ロシア軍のミサイル攻撃によってウクライナ全土で市民生活がひっ迫していることを受けて、会議では、市民が無事に冬を越せるよう、電力や暖房、それに水道などインフラ分野への追加の支援策について意見が交わされました。
フランスのマクロン大統領は「ロシアによるインフラ施設への攻撃の目的は脅威を与えることであり戦争犯罪だ。今回の会議ではウクライナが冬を越せるよう具体的な支援を導きたい」と述べました。
フランス政府によりますと、参加国は総額およそ10億ユーロ、日本円で1440億円余りにのぼる追加の支援を表明し、このうち4割が発電機の供給などエネルギー分野にあてられるということです。

会議には、フランスから700以上の民間企業も参加し、このうちの一部は、ウクライナで鉄道や橋を復旧する工事に参加する意向を示しています。

フランス政府は、国内の企業が今後、ウクライナでの復興事業に参加する際、資金面などで後押しする方針で、フランスのルメール経済相は官民を挙げて復興支援にあたる姿勢を示しました。

フランスの大手建設企業の役員はNHKの取材に対し「ウクライナでの事業に向けて情報収集を始めようと、会議に参加した。フランスは、復興のための重要な役割を担える」と話していました。

ゼレンスキー大統領 エネルギー分野でのさらなる支援呼びかけ

ウクライナへの支援策を議論するパリでの国際会議で、ウクライナのゼレンスキー大統領は、オンライン演説を行い「ロシアの攻撃で破壊されたエネルギー施設の応急的な復旧には少なくとも15億ユーロが必要だ」と述べ、参加国に対してエネルギー分野でのさらなる支援を呼びかけました。

さらにウクライナ各地でいまもおよそ1200万人が電気を使えない状況にあると訴えたうえで「ロシアはウクライナ全土で人道的な大惨事を引き起こそうとしている」と述べ、エネルギー施設への攻撃を繰り返すロシアを厳しく非難しました。

ロシアと中国 首脳会談 年末で調整

一方ロシアの有力紙「ベドモスチ」は13日、外交筋などの話として、ロシアのプーチン大統領と中国の習近平国家主席のオンライン形式での首脳会談が年末に調整されていると伝えました。

これについてロシア大統領府のペスコフ報道官は「こうした接触について準備をしている」と述べ、ロシアとしては友好国 中国との関係を強化することで欧米側に対抗したい思惑とみられます。

ロシアの治安機関FSB長官 破壊工作を欧米が支援と主張

ロシアの治安機関、FSB=連邦保安庁のボルトニコフ長官は13日の会議で「ことし、ロシア南部の国境地帯を中心にテロの兆候が著しく増加した。アメリカに代表される欧米諸国の支援のもと、ウクライナの情報機関が行う諜報・破壊工作と関係している」と一方的に主張しました。

そのうえで「国境の検問所から入国を試みたウクライナの民族主義者や戦争犯罪人、400人以上を拘束した」と述べ、ウクライナ側の脅威を強調しています。

プーチン政権はこれまでも、ロシア国内の施設がウクライナ側の破壊工作の標的になっているなどと主張し、ウクライナ各地へのミサイル攻撃を正当化してきました。

ロシア当局としてはこうした破壊工作を欧米が支援していると主張することで、国内の引き締めを図るねらいもあるとみられます。

アメリカ・アフリカ首脳会議始まる 中国 ロシアに対抗の考え

アフリカのおよそ50か国の首脳らが招待されて3日間の日程で行われるアメリカ・アフリカ首脳会議は初日となる13日、地域の平和や安全保障についてのセッションなどが行われました。

この中でアメリカのオースティン国防長官はアフリカで中国が不透明な形で経済的な関与を深めたり、ロシアが安価な武器を輸出したりしているとして「地域を不安定化させている」と批判しました。

アメリカ政府が主催するアフリカとの首脳会議は8年ぶりで、バイデン大統領は今後3年間でアフリカ各国に対して550億ドル、日本円にしておよそ7兆5000億円の支援を表明するほかAU=アフリカ連合のG20=主要20か国のメンバー入りを支持する考えを示す見通しです。

巨大な市場としても注目を集めるアフリカで中国やロシアが影響力を強める中で、アメリカとしても存在感を示して対抗したい考えです。

アフリカとの関係を重視するロシア

ロシアは資源開発や武器の輸出、それに軍事訓練などを通じて影響力を広げていて、2019年にはアフリカ各国の首脳らを招いて「ロシア・アフリカ経済フォーラム」を開いています。

さらにウクライナへの軍事侵攻を受けて欧米との対立が深まる中、国連加盟国の3割近くを占めるアフリカとの関係をこれまで以上に重視していて、国連総会でのロシアを非難する内容の決議案の採決では棄権に回るアフリカの国は少なくなく、ロシアへの配慮だと受け止められています。

欧米と一線を画すナミビア ロシア寄りの姿勢も

南西アフリカのナミビアは国連総会で採択されたロシア軍の即時撤退を求めたり、ロシアによるウクライナ東部や南部の併合の試みを無効だとしたりする決議案の採決では繰り返し棄権していて、ロシアを非難する日本や欧米と一線を画してきました。

背景には植民地支配からの解放闘争を担った勢力が当時のソビエトの軍事支援を受けた歴史的なつながりがあると指摘されています。

先月2日には、ナミビアに駐在するロシアのニキーチン臨時代理大使がガインゴブ大統領を表敬し、来年開かれる予定のロシアとアフリカ諸国の首脳会議への、プーチン大統領からの招待状を手渡しました。

会談の中でニキーチン臨時代理大使は旧ソビエト時代の支援を踏まえて、「ナミビアは古い友人だ」と述べたうえで、国連総会でのナミビアの棄権について「国連総会でナミビアが示した立場に感謝したい」と伝えました。

これに対しガインゴブ大統領は「圧力を受けたがロシアに感謝しているから棄権した」と応じ、決議案に賛成するよう欧米からの働きかけがあったことを示唆したうえで、ロシアとの関係に配慮したと説明しました。

こうしたナミビア政府の対応についてナミビア大学の政治学者、ヌデュンバ・カムワニヤ氏は「植民地支配の歴史などからナミビアには欧米への不信感があり、ウクライナ情勢をめぐるロシア寄りの姿勢につながっている」と指摘しています。

ロシア ナミビアに燃料供給を提案か

ナミビアでは軍事侵攻以降燃料価格が高騰し、供給不足から首都ウィントフークのガソリンスタンドでも一部でサービスが停止するなど影響が広がりました。

地元紙ではこうした状況を受けてロシアがナミビアに対して燃料の供給を提案したと伝えています。

カムワニヤ氏は「ナミビアの外交姿勢の背景には歴史的なつながりだけではなく、ロシアから石油などの支援を受けようという戦略もある」と分析しています。

最新の主要ニュース7本

一覧

データを読み込み中...
データの読み込みに失敗しました。

特集

一覧

データを読み込み中...
データの読み込みに失敗しました。

News Up

一覧

データを読み込み中...
データの読み込みに失敗しました。

スペシャルコンテンツ

一覧

データを読み込み中...
データの読み込みに失敗しました。

ソーシャルランキング

一覧

この2時間のツイートが多い記事です

データを読み込み中...
データの読み込みに失敗しました。

アクセスランキング

一覧

この24時間に多く読まれている記事です

データを読み込み中...
データの読み込みに失敗しました。