プーチン大統領 年末会見を見送り 国内の反戦感情広がり懸念か

ロシア大統領府が、毎年恒例のプーチン大統領の年末の記者会見を見送ると明らかにしたことについて、イギリス国防省はその理由として、ロシア国内で反戦感情が広がっていることを懸念しているのではないかと分析しています。

ウクライナ南部オデーサ州では、ロシア軍によるエネルギー関連施設の攻撃で州内の広い範囲で停電が発生するなど、市民生活への影響が続いています。

ウクライナ国防省の高官は、アメリカの有力紙、ニューヨーク・タイムズに対し「ロシア軍はまだ3回から5回の大規模なミサイル攻撃を行うだけのミサイルを保有している」と分析し、警戒を強めています。

一方、ロシア大統領府のペスコフ報道官は12日、年末のプーチン大統領の大がかりな記者会見をことしは見送ると明らかにしました。

この会見はプーチン氏が2012年に大統領に復帰して以来、毎年行ってきたもので、去年はおよそ4時間にわたって内外のメディアの質問に答えていました。

戦況を分析するイギリス国防省は13日「恒例のイベントが開催されないのはこの10年で初めてだ。誠実さを示す機会としてプーチン大統領は会見を重視してきた」と指摘しました。

そのうえで「ロシア国内で反戦感情がまん延していることを懸念し、クレムリンは記者会見で『特別軍事作戦』の質問が集中することに極めて神経をとがらせている」と分析しています。