中国 南京事件から85年 追悼式典に最高指導部のメンバーが出席

中国の南京で旧日本軍が多くの市民を殺害したなどとされる「南京事件」から85年となるのに合わせて、中国政府の追悼式典が開かれ、共産党最高指導部のメンバーは、旧日本軍の行為を非難する一方、日本との安定した関係構築を目指す姿勢も示しました。

中国政府は「南京事件」が起きたとされる12月13日を、国家追悼日と定めて、毎年、追悼式典を開いています。

事件からことしで85年となり、江蘇省 南京で13日開かれた追悼式典には、10月の共産党大会で最高指導部入りした、党序列5位の蔡奇氏が出席しました。

追悼式典に最高指導部のメンバーが出席するのは、2017年の習近平国家主席以来、5年ぶりです。

この中で、蔡氏は南京事件について「人類の歴史における暗黒の1ページだ」と述べ、旧日本軍の行為を厳しく非難しました。

一方で、日本との関係については「国交正常化から50年間、さまざまな分野で交流と協力の成果は大きい」と評価したうえで、「双方は、新しい時代にふさわしい関係を構築しなければならない」と述べました。

日中両国は、先月、およそ3年ぶりに対面での首脳会談を行い、習主席が、両国の関係改善に向けた意欲を示しており、中国としては、安定した関係の構築を目指す姿勢を重ねて示した形です。