相模原 障害者殺傷事件 審理再開の申し立て退ける決定 最高裁

6年前に相模原市の知的障害者施設で入所者19人を殺害した罪などで1審で死刑判決を言い渡された植松聖死刑囚が、控訴をみずから取り消したのは無効だとして弁護士が審理を再開するよう求めていた申し立てについて、最高裁判所は退ける決定をしました。

植松聖死刑囚(32)は、2016年に相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者19人を殺害した罪などに問われ、おととし3月に1審の横浜地方裁判所で死刑を言い渡されました。

弁護士が控訴しましたが、その後、みずから控訴を取り下げ、死刑が確定しました。

これについて弁護士が「異常な精神状態の影響を受けて自分の権利を守る能力がなくなっていた。取り下げは無効だ」と主張し、東京高等裁判所に審理を再開するよう申し立てました。

東京高裁は「控訴を取り下げたときに自分の権利を守る能力をなくしていたとはいえない」と判断して退け、異議を受けて審理した別の裁判長も退けました。

不服として弁護士が特別抗告していましたが、最高裁判所第3小法廷の長嶺安政裁判長は、13日までに退ける決定をしました。

本人の控訴取り下げによって死刑判決が確定していることが改めて確認された形です。

一方、植松死刑囚はことし4月、横浜地裁に再審=裁判のやり直しを求めています。