ゼレンスキー大統領 G7首脳の支援に謝意 来年も支援継続訴え

G7=主要7か国の首脳が、ロシアによるインフラ施設への攻撃を受けるウクライナの人たちが冬を越すための支援を行うことなどを確認したことに対して、ウクライナのゼレンスキー大統領は謝意を示すとともに来年も支援を継続するよう訴えました。

ウクライナ南部では、オデーサ州でエネルギー関連施設がロシア軍の攻撃を受けた影響で州内の広い範囲で停電が発生していて、ウクライナ国営の電力会社は12日、風雪にさらされるなど悪天候もあって復旧が思うように進んでいないと訴えました。

ウクライナの東部や南部で戦闘が続く中、G7=主要7か国の首脳は12日、オンラインで首脳会合を開き、ウクライナの人たちが冬を越すための支援を行うとともに、防空システムの供与に向け調整を進めることなどを確認しました。

首脳会合にオンラインで参加したウクライナのゼレンスキー大統領は、12日に公開した動画で「私は、支援についてパートナーたちに感謝するとともに、ことしと同じ支援を来年も続けるよう求めた」と述べ、謝意を示すとともに来年も支援を継続するよう訴えました。
また、ウクライナのレズニコフ国防相は11日に行った記者会見で「われわれが反撃をやめることはない。ぬかるんだ地面が固まるのを利用して反撃と領土解放の作戦を続けていく」と述べました。

レズニコフ国防相としては冬場で地面が凍り、戦闘車両が移動しやすくなる時期に反撃を強めていく考えを強調し、引き続き兵器の供与など軍事的な支援を欧米側に訴えるねらいもあるとみられます。

松野官房長官「未曽有の危機 G7の対応を日本が主導」

松野官房長官は、閣議のあとの記者会見で「今後とも現地のニーズを的確に把握しながら、国際社会と連携しつつ、ウクライナの人々に寄り添った支援で積極的な役割を果たしていく」と述べました。

そのうえで「世界はロシアによるウクライナ侵略など未曽有の危機に直面しており、G7=主要7か国が果たすべき役割は一層重要になっている。来年の『G7広島サミット』では法の支配に基づく国際秩序を守り抜くという決意を明確に示し、G7としての対応を日本が主導していきたい」と述べました。

林外相「暖房器具などの供与を調整」

林外務大臣は記者会見で、ウクライナの人たちが冬を越すための支援について「学校や病院などの施設に発電機の配置を進めるとともに、ウクライナ当局やNGOを通じて、各家庭で太陽光で充電できる『ソーラーランタン』の配布を順次行っている。シェルターや暖房器具、発電機などの供与を含むさらなる必要な支援を実施すべく、関係機関などと個別に調整を行っており、速やかに実施したい」と述べました。