ウクライナ国防相 “ぬかるむ地面の凍結利用し反撃強める”

ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナで、エネルギー関連施設などをねらったロシア軍の攻撃が相次ぐ中、ウクライナの国防相は、地面が凍り、戦闘車両が移動しやすくなる時期に反撃を強めていく考えを示しました。

ウクライナ南部では、オデーサ州でエネルギー関連施設がロシア軍の攻撃を受けた影響で、州内の広い範囲で停電が発生していて、ウクライナ国営の電力会社は12日、風雪にさらされるなど悪天候もあって復旧が思うように進まない現状を訴えました。

また、ヘルソン州の知事は12日にウクライナ軍が先月奪還した州都ヘルソンで再びロシア軍による砲撃を受け、合わせて3人が死亡、8人がケガをしたほか、市内の病院やガスパイプラインが損壊したとSNSに書き込みました。

こうした中、ウクライナのレズニコフ国防相は11日に行った記者会見で「われわれが反撃をやめることはない。ぬかるんだ地面が固まるのを利用して反撃と領土解放の作戦を続けていく」と述べ、冬場で地面が凍り、戦闘車両が移動しやすくなる時期に反撃を強めていく考えを示しました。

一方、ロシア大統領府のペスコフ報道官は12日、プーチン大統領が毎年行ってきた年末の大がかりな記者会見を、ことしは見送ると明らかにしました。

プーチン大統領が国内外のメディアを集め、長時間にわたって直接質問に答えながら持論を展開するもので、去年12月に開いた会見では、欧米がNATO=北大西洋条約機構を東に拡大し続けてきたためロシアの安全保障が脅かされていると主張していました。

ペスコフ報道官は会見を見送った理由には触れず「大統領は外国訪問の際などに記者会見を定期的に行っている」と述べたうえで、これとは別に大統領府の担当記者と話す機会を探るとしていますが、独立系メディアは伝統となってきた記者会見が見送られたのは異例だと伝えています。