贈与税と相続税 政府・与党の見直し案判明 来年度税制改正で

来年度の税制改正で、政府・与党が検討している贈与税と相続税の見直し案が明らかになりました。
生前に贈与された財産と、死後に相続した財産とを合算して、課税額を計算する期間を、3年から7年に延ばす一方、「相続時精算課税制度」の利便性を高めることで、若い世代への資産移転を促すことにしています。

親などから生前に贈与を受けた財産は、毎年110万円までは、贈与税がかかりません。

ただ、生前に分割して贈与することで、相続税を軽減するのを防ぐため、亡くなった日から3年前までに受けた贈与については、相続した財産と合算して、相続税を納めることとなっています。

これについて政府・与党は、平均寿命が延びて、生前に贈与できる期間が長くなっているなどという指摘を踏まえ、来年度の税制改正で、合算の対象期間を、亡くなった日から7年前までに延ばす方針を固めました。

ただ、延長した4年分については、総額100万円まで相続財産に加算しないとしています。

合算する期間は、2027年1月以降、段階的に延ばし、2031年1月に7年となります。

一方、2500万円までの生前の贈与について、いったんは非課税としたうえで、相続の際に合算して課税額を計算する「相続時精算課税制度」も見直す方針です。

これまでは、少ない金額の贈与でも税務署に申告する義務がありましたが、見直しによって、贈与税の基礎控除である110万円とは別に、毎年110万円以内の贈与は、相続時に申告しなくてもよいようにする方針です。

この制度の利便性を高めることで、子育て世代などへの資産移転を促し、経済の活性化につなげたいねらいがあります。