月探査「アルテミス計画」の宇宙船「オリオン」が地球に帰還

宇宙飛行士の月への着陸を目指す国際プロジェクト「アルテミス計画」で、先月打ち上げられた、無人の宇宙船が月を周回する25日間の試験飛行を終え、日本時間の12日、地球に帰還しました。
NASA=アメリカ航空宇宙局は今回取得したデータを分析した上で、次は宇宙船に宇宙飛行士を乗せた状態で月を周回する試験飛行を行う計画です。

地球に帰還したのはNASAが新たに開発した宇宙船「オリオン」です。

NASAは、日本やヨーロッパも参加する国際的な月探査計画「アルテミス計画」で2025年を目標に、アポロ計画以来となる宇宙飛行士による月面着陸を目指しています。

オリオンは先月、無人の状態で打ち上げられ、月を周回した後、地球に向かって飛行していました。

そして、打ち上げから25日後の日本時間の12日未明、時速およそ4万キロで、大気圏に突入した後、パラシュートをつかって速度を落としながら降下を続け、午前2時40分ごろ、太平洋上に着水しました。

着水後、オリオンは無事、船で回収され、このあと、ケネディ宇宙センターまで運ばれる予定です。

今回の試験飛行は、宇宙船が地球に帰還する際の高温に耐えられるかどうかや、内部に載せた3体のマネキンを使って衝撃や放射線の影響を調べるのが主な目的です。NASAは取得したデータを詳しく分析し、次は宇宙船に宇宙飛行士を乗せた状態で月を周回する試験飛行を行う計画です。