中国 コロナ対策緩和も市民に警戒感 救急車の要請6倍に急増

中国政府は、新型コロナウイルスの感染対策の緩和に踏み切りましたが、市民の間には感染への警戒感が強く、首都・北京では、救急車の出動要請がふだんの6倍に急増しています。
国営メディアは「感染者の99%は1週間で回復する」と強調する専門家の見方を伝えるなど、不安の解消に追われる事態となっています。

中国政府は、先週、新型コロナウイルスの感染対策について、無症状や症状の軽い人は自宅での隔離を認めるほか、多くの場所で提示を義務づけてきたPCR検査の陰性証明を求めないなど、緩和に踏み切りました。

しかし、市民の間には、依然として感染への警戒感が強く、中国メディアによりますと、首都・北京では、このところ救急車の出動要請が、ふだんの6倍に当たる3万件余りに急増し、当局が、軽症や無症状の感染者には、むやみに救急車を呼ばないよう求めているということです。

北京の中心部では11日、週末にもかかわらず、通りを歩く人や車の往来はまばらで、感染を不安視して、市民が外出を控えている様子がうかがえました。

こうした中、国営メディアは、中国の感染症研究の第一人者、鍾南山氏が「オミクロン株の感染者の99%は1週間で回復する」などと強調するインタビューを伝えました。

当局としては「ゼロコロナ」政策のもとで、市民の間に広まった感染に対する不安の解消に追われる事態となっています。