オミクロン株「BQ.1.1」 “病原性 同程度か低い可能性” 東大

新型コロナウイルスのオミクロン株の一種で、免疫から逃れやすいとされ今後の拡大が懸念される「BQ.1.1」について、感染したときに症状を引き起こす力は、従来の変異ウイルスと同じ程度か低い可能性があるとする動物実験の結果を、東京大学などの研究グループが発表しました。

この研究は、東京大学医科学研究所の佐藤佳教授らの研究グループ、「G2P-Japan」が、査読を受ける前の論文として公表しました。

それによりますと、実験で感染した人から取った「BQ.1.1」を細胞に感染させると、周囲の細胞を壊す力は、ことし夏の「第7波」以降、主流となった「BA.5」の2.4倍になっていたということです。

一方で、「BQ.1.1」をハムスターに感染させると、体調を示す体重の変化は「BA.5」に感染した場合とほぼ同じで、肺の機能を示す数値は悪化の程度が低かったとしています。

これまでの変異ウイルスでは、細胞を壊す力が強いと病原性も高い傾向がありましたが、「BQ.1.1」は病原性が「BA.5」と同じ程度か下がっている可能性もあるとしています。
佐藤教授は「直接、人間社会に当てはまるわけではないが、病原性が高まっていないのは朗報かもしれない。広がりやすいウイルスであることは間違いないので、感染対策を続けてほしい」と話しています。